
自分はどんなことが得意で、どんな場面で力を発揮できるのか。ふと気になったことはありませんか。四柱推命(しちゅうすいめい)では、そのヒントを生まれた日から探します。
この記事の結論
四柱推命の通変星(つうへんせい)は、生まれた日を「自分」とみなし、ほかの要素との関係を10種類に分けた星です。 四柱推命では、この星から性格や得意なことの傾向を読み取ります。当てものではなく、自分を知るためのヒントです。
人と力を合わせるのが得意か、自分の考えで道を切り開くタイプか。星の顔ぶれから、そんな自分らしさが見えてくるかもしれません。
この記事では、10種類の星の意味と、自分の星の見つけ方を紹介します。あなたの星を一緒に探してみましょう。
自分にどれが当てはまるのか分かりません。まず何から押さえればいいですか。
通変星はすべて日干から見た関係なので、ここが決まれば残りの星は規則で出せます。
10個の名前を覚えるのは、そのあとで十分ですよ。
通変星とは?初心者向けの基本
通変星は、生まれた日の天干(日干)を「自分」とみなし、命式(めいしき)のほかの干が自分にとってどんな関係にあるかを表す名前です。
- 基準は生まれた日の天干(日干)
- 五行(ごぎょう)の関係5つと、陰陽(いんよう)の同じ・違うの組み合わせで10種類
- 日干自身には星がつかない
- 地支(ちし)は、中に含まれる干である蔵干(ぞうかん)から星を出す
五行の関係は、日干と同じ五行、日干が生み出す五行、日干が剋す(こくす。抑えること)五行、日干を剋す五行、日干を生み出す五行の5つです。
そこへ陰陽が同じか違うかを掛け合わせると、10種類になります。
たとえば日干が甲(きのえ。陽の木)なら、同じ甲は比肩(ひけん)、陰の木の乙(きのと)は劫財(ごうざい)です。木が生み出す火のうち、陽の丙(ひのえ)は食神(しょくじん)、陰の丁(ひのと)は傷官(しょうかん)にあたります。
日を中心に読む考え方は、古い命理書にも見られます。『淵海子平(えんかいしへい)』は「以日為主」と書き、甲乙が庚辛を見れば官、戊己を見れば財というように、日干との関係で分類しました。
参考:淵海子平|維基文庫
呼び名には、今と違うところもあります。同書の一節には、倒食(とうしょく)や陽刃(ようじん)のように、この記事の表にはない名前も出てきます。
日干が違う人なら別の星になるのですか。
星は干そのものにつく名札ではなく、自分との関係につく名前なんですね。
ですから、星の名前だけを人と比べても、同じ物差しにはなりません。
四柱推命では通変星10種類の意味をどう読む?
10種類の星は、2つずつ5つの組に分けると整理しやすくなります。各星の特徴は、2つの解説サイトで紹介されている内容を参考にまとめました。
| 組 | 星 | 日干との関係 | 読み方の例 |
|---|---|---|---|
| 自我 | 比肩(ひけん) | 同じ五行・陰陽が同じ | 自立心、負けず嫌い |
| 自我 | 劫財(ごうざい) | 同じ五行・陰陽が違う | 人を動かす力、周りを巻き込む力 |
| 表現 | 食神(しょくじん) | 日干が生む・陰陽が同じ | 楽しむ力、おおらかな表現 |
| 表現 | 傷官(しょうかん) | 日干が生む・陰陽が違う | 鋭い直観、美的センス |
| 財 | 偏財(へんざい) | 日干が剋す・陰陽が同じ | 社交性、人脈づくり |
| 財 | 正財(せいざい) | 日干が剋す・陰陽が違う | まじめさ、こつこつ積み上げる力 |
| 官 | 偏官(へんかん) | 日干を剋す・陰陽が同じ | 行動力、面倒見のよさ |
| 官 | 正官(せいかん) | 日干を剋す・陰陽が違う | 責任感、正義感 |
| 印 | 偏印(へんいん) | 日干を生む・陰陽が同じ | 好奇心、型にはまらない発想 |
| 印 | 印綬(いんじゅ) | 日干を生む・陰陽が違う | 学ぶ力、計画性 |
参考:四柱推命の通変星をわかりやすく解説!性格や運勢を占ってみよう|中園ミホ公式サイト
参考:四柱推命の通変星|わかりやすく解説!性格、才能、運勢を占う|村野弘味公式サイト
同じ偏官でも、中園ミホ氏の公式サイトは冒険心、村野弘味氏の公式サイトはスピード感を挙げるように、強調する面は人によって違います。
財・官・印の星に使われる「正」と「偏」には、陰陽の組み合わせによる違いがあります。きらら舎の解説は、陰陽が違う組み合わせを正、同じ組み合わせを偏とし、正を安定や社会性、偏を突破力や自由さに結びつける説明です。
表の言葉だけで、その人の性格が決まるわけではありません。占いの森も、通変星だけにこだわって判断するのはあまり好ましくないという立場です。四柱推命では、星の位置や五行のバランスも合わせて読みます。
参考:【四柱推命 完全ガイド】通変星の調べ方・割り出す方法|簡易版も含めた各種解説付き|占いの森
吉凶の扱いも、一つではありません。韓国の解説ブログ「다시 배우는 사주명리(タシ ペウヌン サジュミョンリ)」は、傷官、偏官、偏印、劫財を凶神(きょうしん)とする古い分類を紹介しつつ、現代ではその意味が薄れたと書いています。
自分の命式にあったら、いまはどう受け止めればいいのでしょうか。
ただ、いまの解説では、位置やほかの星との関係も合わせて読むものが多いですね。
傷官なら鋭い感性、偏官なら行動力というように、まず持ち味として眺めてみてください。
通変星は命式のどこを見る?例の命式で出し方をたどる
自分の通変星は、命式を出して日干を確かめれば、残りは規則でたどれます。まず調べる手順を押さえ、そのあと例の命式で実際に出してみましょう。
- 自分の通変星を調べる3つの手順
- 例の命式で通変星を出す
手順が分かれば、家族や友人の命式も同じように読めます。
自分の通変星を調べる3つの手順
いちばん手軽なのは、四柱推命の命式を出せるサイトやアプリを使う方法です。生年月日と生まれた時刻を入れると、4つの柱が表になって出てきます。
- 手順1:命式を出すサイトに、生年月日と生まれた時刻を入れる
- 手順2:日柱(にっちゅう)の天干、つまり日干を確かめる
- 手順3:年干・月干・時干と地支の蔵干を、日干と照らし合わせて通変星を読む
サイトによっては、手順3の通変星まで表に出してくれます。自分で確かめたいときは、前の章の表で日干との関係を見てください。
生まれた時刻が分からない場合は、時柱(じちゅう)を立てずに読みます。星が出る位置が減るだけで、ほかの柱の読み方は変わりません。
地支の蔵干をどの方法で選ぶかは、サイトによって違います。結果を比べるなら、同じサイトで出したものどうしにすると迷いにくいでしょう。
例の命式で通変星を出す
地支に含まれる蔵干のうち、中心となる「本気(ほんき)」を使う方式では、通変星は最大7か所に表れます。日干を除く天干の3か所と、地支の4か所です。韓国の解説では、本気を正気(せいき)と呼びます。
時柱を立てない場合は、天干2か所と地支3か所の5か所です。
例として、1995年10月30日の正午に生まれた架空の人の命式を使います。表の「蔵干」の行は、各地支の本気です。
| 柱 | 年柱(ねんちゅう) | 月柱(げっちゅう) | 日柱(にっちゅう) | 時柱 |
|---|---|---|---|---|
| 天干 | 乙 | 丙 | 甲 | 庚 |
| 天干の通変星 | 劫財 | 食神 | なし(基準) | 偏官 |
| 地支 | 亥 | 戌 | 午 | 午 |
| 蔵干(本気) | 壬 | 戊 | 丁 | 丁 |
| 蔵干の通変星 | 偏印 | 偏財 | 傷官 | 傷官 |
参考:사주 초급 – 십성(十星) · 십신(十神) · 육친(六親)|다시 배우는 사주명리
日干は甲、つまり陽の木です。乙は同じ木で陰陽が違う劫財、丙は木が生む陽の火で食神。庚(かのえ)は木を剋す陽の金なので、偏官になります。
地支も、中の干で見ていきます。亥(い)の壬は木を生む陽の水で偏印、戌(いぬ)の戊(つちのえ)は木が剋す陽の土で偏財です。午(うま)の丁は陰の火なので、日支(にっし)も時支も傷官になりました。
蔵干の選び方には、別の方法もあります。占いの森が紹介する月律分野(げつりつぶんや)の表は、節入り(せついり。季節の区切りの日)から何日目かで蔵干を変える方式です。
この表では、戌は13日目から戊です。そのため、寒露(かんろ。10月上旬の節入り)から12日目までに生まれた人は、月支(げっし)の星が偏財以外になります。
例の日付は、どちらの方法でも同じ干になるよう、寒露から3週間ほどあとにしています。自分の命式を出したサイトと結果が違うなら、蔵干の選び方が違うのかもしれません。
7か所のうち、どこを重く見るかも流派で分かれます。月支、日支の順に重く見る解説もあれば、きらら舎のように、月柱の天干は仕事のスタイル、日柱の蔵干は本質的な性格と、柱ごとに意味を分けて読む解説もあります。
参考:通変星とは?10種類の早見表・出し方・どこを見るかを解説【四柱推命】|はっぴーをパワーあっぷするブログ
同じ星が重なると、その性質が強く出ると考えていいのですか。
ただ、どの柱にあるか、五行の強さはどうかでも読み方は変わり、重なりの扱いは流派で分かれます。
数だけで決めず、命式全体の中で見ていくのがよいと私は思います。
韓国式サジュでは通変星をどう扱う?
韓国では、四柱推命にあたるものをサジュ(사주)と呼びます。通変星は십성(シプソン。十星)や십신(シプシン。十神)と呼ばれ、日干を基準に五行と陰陽で10種類に分ける仕組みも同じです。
日本と韓国で10種類の漢字表記を比べると、違うのは日本の印綬だけです。韓国の解説では정인(チョンイン。正印)と書きます。組ごとのまとめた呼び名も、韓国語の解説でよく使われています。
| 日本での呼び方 | 韓国での呼び方 | 組の呼び名(韓国) |
|---|---|---|
| 比肩・劫財 | 비견(ピギョン)・겁재(コプチェ) | 비겁(ピゴプ) |
| 食神・傷官 | 식신(シクシン)・상관(サングァン) | 식상(シクサン) |
| 偏財・正財 | 편재(ピョンジェ)・정재(チョンジェ) | 재성(チェソン) |
| 偏官・正官 | 편관(ピョングァン)・정관(チョングァン) | 관성(クァンソン) |
| 偏印・印綬 | 편인(ピョニン)・정인(チョンイン) | 인성(インソン) |
カタカナは、韓国語の発音に近い読みの目安です。別名もあり、「다시 배우는 사주명리」は편관(칠살:チルサル)、겁재(양인:ヤンイン)と併記しています。日本の解説で偏官を七殺(しちさつ)と呼ぶ場合があるのと同じ形です。
違いが出やすいのは、地支の星の扱いです。韓国語版Wikipediaの「사주명리학(サジュミョンリハク)」は、地支そのものに십성はなく、지장간(チジャンガン。蔵干)にだけあると書いています。
正気(せいき。本気と同じ)の星を地支の星のように呼ぶことが多いので、混同しないように、という注意書きつきです。
参考:사주명리학|위키백과
「다시 배우는 사주명리」も、地支の십성は지장간の正気で判断すると説明しています。本記事で確認した韓国語の解説は、どちらも正気の星を地支の星として扱う説明でした。
一方、占いの森は、節入りからの日数で蔵干を選ぶ方法を紹介しています。この2つの韓国語の資料だけでは、韓国の解説全体がどちらの方法を採るかまでは分かりません。
日本で調べた星の名前は、そのまま話に出して通じるのでしょうか。
印綬だけは정인(正印)と書くので、そこは言い換えるといいですね。
地支の星をどの干で出すかは人によって違うこともありえるので、先に確かめておくと安心です。
通変星を自己理解に生かすには?
通変星は、当たり外れを確かめるより、自分の傾向を言葉にするほうが使いやすい道具です。当てはまるかどうかを自分で確かめながら読めば、結果に振り回されにくくなります。
- 月柱の星を、仕事のスタイルや得意なことと読む解説を参考に振り返る
- 当てはまる点と、違うと感じる点を両方書き出す
- 多い星やない星だけで、良し悪しを決めない
- 気になる星の読み方を、複数の解説で比べる
例の命式なら、月柱の天干は食神、月支は偏財。食神は楽しむ力、偏財は社交性や人脈づくりと読む解説があります。人づきあいが苦手な人でも、自分なりのつながり方を考えるきっかけにはできるでしょう。
解説と自分の性格が合わないと感じても、無理に当てはめる必要はありません。その違和感も、自分を知る材料になります。なお、サイトによって結果が異なる場合は、蔵干の選び方を確認してみましょう。
通変星を「向いている仕事」の参考にする解説もありますが、転職や進学を決めるのは自分です。病気やお金、法律に関わる判断は、占いではなく医師や専門家に相談してください。
ほかの柱の星から読み始めてもいいのでしょうか。
どこを重く見るかは流派でも分かれますし、日柱の蔵干を本質的な性格と読む解説もあります。
いちばん納得できる星を入口にして、そこから命式全体に広げていけばいいんです。
よくある質問
通変星は何と読みますか?
「つうへんせい」と読みます。流派によっては、命式に並ぶ通変星を「運命星」や「宿命星」と呼ぶこともあります。
10種類の通変星がすべて命式にそろうことはありますか?
本気だけで見る場合、星が出るのは最大7か所なので、10種類すべてはそろいません。出ていない星があるのは、どの命式でも同じです。
同じ通変星が2つ以上あるのはどういう意味ですか?
四柱推命では、数に加えて、どの柱にあるか、五行の強さはどうかも合わせて読みます。重なりをどう読むかは流派で異なります。
サイトによって通変星の結果が違うのはなぜですか?
蔵干の選び方や、どの星を中心に見るかが流派やサイトで違うためです。本気で見るか、節入りからの日数で見るかで、地支の星が変わることがあります。
通変星は年齢とともに変わりますか?
命式の通変星は生年月日時で決まるので変わりません。ただ、大運(たいうん)や年運で巡ってくる干と日干の関係を通変星で表し、時期ごとの流れを読む方法があります。
悪い通変星はありますか?
古い分類には、傷官や偏官などを凶神とするものがあります。ただ、その分類の意味は現代では薄れたとする解説もあり、行動力や直観として読む解説も見られます。
取材後記
通変星の規則は、五行の関係と陰陽の2つだけです。それだけで、10の日干と10の干の組み合わせ100通りが決まります。
表を丸暗記するより、まず仕組みを知ってから自分の命式を見るほうが面白いと、私は考えています。仕組みが分かれば、自分の星がなぜその名前なのかも説明できるはずです。
同じ生年月日でも、蔵干の選び方ひとつで星が変わることがあります。サイトごとに結果が違って迷ったら、まずここを疑ってみてください。
私は、その違いも含めて四柱推命だと受け止めています。流派ごとに積み重ねてきた読み方があり、どれか1つだけを正解と決める必要はないはずです。
星の読み方を、自分を決めつけるためではなく、自分を説明する言葉を増やすために使ってみませんか。
参考資料
- 維基文庫「淵海子平」※日を中心に読む考え方と、十神の古い分類・呼び名の根拠
- 中園ミホ公式サイト「四柱推命の通変星をわかりやすく解説!性格や運勢を占ってみよう」※10種類の読み方の例、星の数、通変星の別名の根拠
- 村野弘味公式サイト「四柱推命の通変星|わかりやすく解説!性格、才能、運勢を占う」※10種類の読み方の例と、大運・年運での使い方の根拠
- きらら舎(note)「四柱推命ワーク/通変星」※正と偏の違い、柱ごとの読み方の根拠
- 占いの森「【四柱推命 完全ガイド】通変星の調べ方・割り出す方法|簡易版も含めた各種解説付き」※月律分野の表、流派で蔵干表が違う点、通変星だけで判断しない点の根拠
- はっぴーをパワーあっぷするブログ「通変星とは?10種類の早見表・出し方・どこを見るかを解説【四柱推命】」※月支、日支の順に重く見る読み方の根拠
- 위키백과「십성 (사주팔자)」※韓国での十星の名前と分類の根拠
- 위키백과「사주명리학」※地支の十星を蔵干で見る説明の根拠
- 다시 배우는 사주명리「사주 초급 – 십성(十星) · 십신(十神) · 육친(六親)」※地支の十星を本気で見る説明、甲日の地支の星、吉神・凶神の分類、別名の根拠