先日、小説を読んでいたら、「彼は感極まって、タガが外れたように泣いた」という表現があったんですね。
その時、「タガが外れる」のタガとは、一体、何だろうか考えてしまいまして・・・
そこで、今回は、「タガが外れる」の意味、由来、例文、そして類語について解説をしていきます。
「タガが外れる」の意味
「タガが外れる」とは、それまで外側から締め付けていたものがなくなって、度が過ぎてしまったり、秩序が失われたりすることを意味します。
人は、必要以上に抑圧されたり、ストレスを抱え続けたりし続けると、何かをきっかけにして、感情や言動を制御できなくなる時があります。
他にも原因は、いろいろありますが、それまでコントロールされていたものが、突然、制御不能な状態となってしまうので、ネガティブな意味で使われることの方が多いです。
「タガが外れる」の由来
では、「タガが外れる」の「タガ」とは何なのでしょうか?
タガは漢字で書くと「箍」で、桶のまわりにはめる竹や金属で作った輪のことを指します。
そのタガを外してしまうと、樽の板がバラバラとなってしまうことが由来となりました。
樽は、ウイスキーやビールなどのお酒を貯蔵する際に用いられることが多いですが、タガが外れると、中の液体物が一気に外に溢れてしまうので、どれだけ大変なことになるかと思います。
また、このタガを使った慣用句として、「箍が緩む」という表現がありますが、こちらは、気持ちや規律が緩むことを意味します。
もちろん、「タガ」というのは、締め付け過ぎると良くないかと思いますが、それでも秩序を保つという点では、とても重要なものなんですね。
「タガが外れる」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「タガが外れる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 私は、お酒を飲むとタガが外れて何をするか分からなくなってしまうので、お酒は出来るだけ飲まないようにしている。
- 彼は、理性のタガが外れたように、恋愛に夢中になってしまった。
- 彼は、タガが外れたかのように、キレのあるダンスを踊りまくった。
- ストレスが溜まった若者は、いったんタガが外れると何をしでかすか分からない。
- 彼は、年収が700万円以上あるが、タガが外れると浪費してしまうタイプなので、貯金はほとんどなかった。
- カリスマ経営者が辞任した途端、その会社はタガが外れたかのように問題が噴出し始めた。
「タガが外れる」の類語
「タガが外れる」には、以下のような類義語があります。
- 羽目を外す:調子に乗って度を越すこと。
- 制御不能になる:止めようとしても困難になること
- 暴発する:内にこもっていたものにこらえきれず、にわかに過激な行動を起こすこと
- ブチ切れる:本気で怒ること
いずれも、コントロール不能な状態を表す言葉ですね。
「タガが外れる」の反対語
「タガが外れる」の反対語としては、「タガを締める」があります。
「タガを締める」が「タガが緩む」の反対語でもありますが、ゆるんだ規律や気持ちをしっかり引き締めるという意味で「タガを締める」は使われます。