こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
私の友達が食事をしていた時に、
「結局、会社で出世する人って、トップの考えに従順でお世辞が上手い人になっちゃうよね。やっぱり長いものには巻かれろなんだよなあ。」
としみじみ語っていまた。
その時「長いものに巻かれろ」という言葉が気になってしまったんですね。
長いものって、何を指しているのでしょうか・・・!?
そこで、ここでは、「長いものには巻かれろ」の意味・例文・類語・反対語について解説をしていきます。
「長いものには巻かれろ」の意味
「長いものには巻かれろ」とは、権力や勢力があるものには逆らわず、従った方が得策であるという意味です。
この言葉の語源は、中国で、象の鼻に巻かれてしまった漁師の話ではないかという説が有力です。
狩りをしていた漁師が象に掴まって、長い鼻に巻かれてしまいました。
抵抗しても逃げることは出来なかったので、諦めて、巻かれたままの状態でおとなしくしていたところ、獅子が象に襲いかかってきたのです。
しかし、漁師は持っていた弓矢で獅子を倒します。
すると、助けられた象は、漁師を象の墓場まで連れていくのですが、そこで発見した大量の象牙を売って、漁師は大儲けをするのでした。
この話が語源になっているかは、明確な根拠がある訳ではないので、その点ではご注意下さい。
ただ、一応、語源的には、長いものは、象の鼻から来ている可能性が高いとういことになりますね。
「長いものには巻かれろ」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「長いものには巻かれろ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 長いものには巻かれろという大人の意見に反発して、学校を卒業したら、すぐ起業することにした。
- 日本は、長いものには巻かれろという精神でアメリカの属国になってきたと非難する人もいるが、それ故に軍事費を抑え、経済発展が出来た要素は大きい。
- その会社は、長いものには巻かれろと発想する人が多いので、自由な発想が育ちにくい。
- 本当は、いじめる人を非難するべきなのだが、長いものには巻かれろと考えて、いじめられる人を傍観するしかなかった。
「長いものには巻かれろ」の類語
「長いものには巻かれろ」の類語には以下のようなものがあります。
- 寄らば大樹の陰
- 泣く子と地頭には勝てぬ
- 順応主義
- 事大主義
やはり、どの言葉も、優柔不断というか、主体性のなさを感じないネガティブな雰囲気が出てしまいますよね。
「長いものには巻かれろ」の反対語
「長いものには巻かれろ」の反対語としては、
「鶏口となるも牛後となるなかれ」
という言葉があります。
この言葉は、牛後という大きな団体のしりに付くよりも、鶏口という小さな団体の頭になる方が良いという意味です。
実際、「長いものには巻かれろ」という生き方に反発して、独立志向を持つ人もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
まとめ
「長いものには巻かれろ」は、どちらかと言えば、ネガティブな意味で使われることが多いですし、社会の現実を表現する時にもよく使われます。
確かに、長い物に巻かれる生き方は、ある意味、楽ですし、安定感もあります。
しかし、その一方で、力を持った人や組織を前にして、自分の意見や個性を否定しなければならない時も多々ありますよね。
逆に長いものに巻かれない生き方は、自由がありますが、その一方で安定感に欠くという大きなデメリットもあります。
私も両方の立場を経験する中で、長いものに巻かれる生き方は、安定していますが不自由で退屈ですし、長いものに巻かれない生き方は、自由ですが不安だというメリットとデメリットをそれぞれ感じています。
実際、どちらの生き方が良いのか、議論されることも多いですが、最終的には、自分の性格に合った生き方を選択するのが一番いいのではないかなと思います。