先日、あるインタビュー記事を読んでいたら、「 このまま諦めてしまったら、今まで応援してくれた人達に対して合わせる顔がないと思ってがんばりました。」というコメントを見かけたんですね。
その時、「あれっ、“合わせる”の漢字はこれで良かったんだっけ?」と思いまして・・・
そこで、今回は、「合わせる顔がない」の意味、漢字表記、例文、そして類語について解説をしていきます。
「合わせる顔がない」の意味
「合わせる顔がない」とは、「面目なくて、その人に会うことが出来ない、その人の前に出られない」ことを意味します。
本来であれば、何か良くないことがあった時でも、相手に対して誠実に向き合い、謝罪の気持ちを述べたりすることは大切だと思います。
ただ、それ以上に、恥ずかしさや申し訳なさを感じてしまうと、それすらも出来ない心理状態になってしまいますが、そういった時に、この慣用句をよく使います。
「合わせる顔がない」の漢字にご注意
「合わせる」の漢字は、「会わせる」だと勘違いしている人も時々いらっしゃいます。
もし、人を会わせるのであれば、「会わせる」ですが、ここで合わせるのは顔なので、漢字は「合わせる」になります。
「合わせる顔がない」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「合わせる顔がない」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- あれだけ禁煙を成功させると友人に豪語したのに、3日で断念してしまって、友達に合わせる顔がない。
- このような無様な試合をしてしまって、プロとして、ファンに合わせる顔がない。
- 会社でリストラに遭ってしまい、家族に合わせる顔がない。
- こんな醜態をさらしてしまって、もう皆に合わせる顔がない。
- 自分のミスで試合に負けてしまって、チームメートに合わせる顔がないよ。
- あれだけ、塾にたくさん通わせてもらったのに、大学受験に失敗してしまうなんて、親に合わせる顔がない。
- 隠してした多額の借金がバレてしまい、もう妻に合わせる顔がない。
- 元カノに対しては、いろいろな意味で傷つけてしまったので、彼女には一生、合わせる顔がないと思っている。
- 友達には、合わせる顔がないので、いったん謝罪のメールを送ることにした。
「合わせる顔がない」の類語
「合わせる顔がない」には以下のような類語があります。
- 顔向けできない
- 面目ない
- 弁明のしようがない
- 釈明のしようがない
- バツが悪い
- 申し訳が立たない
- 弁解できない
「合わせる顔がない」時は、実際に会ったとしても、何を言ったら良いのか、どういった顔をすれば良いのか分からないものです。
ですから、類語を見ても、そのような心理状態を表すものが多いですよね。
まとめ
「合わせる顔がない」は、面目ないと思ってしまって、会うことすら出来なくなることを意味しますが、その一方で、合わせる顔がないと言われた人は、会いたくないとは全然思っていないことが多いです。
逆に、そういった時にこそ、キチンと会って話をしてくれた方がうれしいものですよね。
もちろん、「合わせる顔がない」という心理になってしまうことは、しょうがないことだと思います。
ただ、そういった時にこそ、一歩、踏み出して、相手に向き合い、素直に気持ちを伝えることが出来ればいいのかなと思います。