この間、高校の同窓会に参加したのですが、20年ぶりに再会した友人から「君も随分変わったねえ。驚き桃の木山椒の木だよ~。」と言われたんですね。
その時、「驚き桃の木山椒の木」って死語じゃないのかなあと、何気なく思ってしまったのですが・・・
そこで、今回は、「驚き桃の木山椒の木」の意味、由来、そして例文について解説をしていきます。
目次
「驚き桃の木山椒の木」の意味
「驚き桃の木山椒の木」とは、すごく驚いたという意味です。
読み方は、「おどろきもものきさんしょのき」ですが、このことわざは、驚きの語尾の「き」をかけた語呂合わせの表現です。
桃の木、山椒の木と「き」で終わる言葉を続けることによって、驚きをより強調したい時に使います。
また、このことわざは、語呂合わせという遊びの要素も取り入れているので、その場の雰囲気を和ませる目的で使う時もあります。
「驚き桃の木山椒の木」の由来
「驚き桃の木山椒の木」のはっきりとした由来は明らかになっていませんが、この言葉が広まったのは、寅さんとタイムボカンシリーズがきっかけだと言われています。
寅さんのセリフ
映画「男はつらいよ」では、寅さんが「驚き桃の木山椒の木」という表現がよく使われます。
例えば、こんな感じです。
「これは驚き桃の木山椒の木。ブリキに狸に蓄音機だよ。春子先生から下宿代をお取りかい」
タツノコプロのタイムボカンシリーズでのセリフ
「驚き桃の木山椒の木」は、タツノコプロが制作したタイムボカンシリーズのヤットデタマンでも2つのパターンで使われています。
まず、ヤットデタマンの登場シーンでは、
驚き桃の木山椒の木、一気に時を渡りきり、ついに出た出た、やっと出た! 地球のアイドル、ヤットデタマン
というセリフが出て来ます。
そして、ヤットデタマンが、コヨミと巨大ロボ「大巨神」を召喚する際に、
驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に洗濯機、やって来い来い大巨神
という言葉を使います。
「驚き桃の木山椒の木」の続きは?
寅さんやタツノコプロの作品では、「驚き桃の木山椒の木」の後に、
- ブリキに狸に蓄音機
- 一気に時を渡りきり
- ブリキに狸に洗濯機
という続きの言葉が使われていますが、こういった言葉は、付け足し言葉と呼ばれています。
他にもがってん音頭という歌では、
驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に洗濯機、あたりき車力よ車曳き
という表現があり、「あたりき車力よ車曳き」という付け足し言葉が使われています。
「驚き桃の木山椒の木」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「驚き桃の木山椒の木」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 絶対受からないと思っていた志望校から合格通知が届くなんて、驚き桃の木山椒の木だ。
- 絶対、大人だと思った人に年齢を聞いたら、まだ中学生であることが分かって、驚き桃の木山椒の木だった。
- 彼女の作った料理が、予想外に美味し過ぎて、驚き桃の木山椒の木だ。
- お世辞にも美人とは言えない彼女が、あんなにイケメンの男性と結婚するなんて驚き桃の木山椒の木だ。
「驚き桃の木山椒の木」は死語?
「驚き桃の木山椒の木」がよく使われた寅さんシリーズは既に終了していますし、タツノコプロのヤットデタマンが放送されたのは、1980年代の始めでした。
そのため、「驚き桃の木山椒の木」という言葉自体が死語ではないかと思う方もいらっしゃいます。
確かに、昔に比べたら、使われる頻度は減って来ていますし、今の若い人に言うと、首を傾げられてしまうかもしれません。
ただ、ツイッターなどのSNSを見ていると、今でも「驚き桃の木山椒の木」を使っている人はチラホラ見かけます。
特に40代、50代の人に対しては、まだまだ通じることわざなので、機会があったら、是非、使ってみて下さいね。