先日、私の同僚が「この間、寝坊して、遅刻しそうになったんだけど、必死に走ったら何とか間に合って、事なきを得たわ。」と話していました。
その時、「事なきを得る」という言葉を聞いて、こういう時に何かを得るという表現を使うのは面白いと思ったんですね。
そこで、今回は、「事なきを得る」の意味、例文、類語、反対語、そして英語での表現について解説をしていきます。
目次
「事なきを得る」の意味
「事なきを得る」とは、大事に至らないで済むということです。
普段の生活やビジネスの世界では、一歩間違えたら、大変なことになっていたということがあったりしますよね。
しかし、そういうことが起こる前に、誰かが助けてくれたり、或いは自分自身で何とかしたりして、大変なことになるのを防ぐことが出来た時に使います。
「事なきを得る」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「事なきを得る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼は、あやうく罪を着せられそうになったが、真犯人が無事に見つかり、事なきを得た。
- 今回は、彼のスーパープレーで事なきを得ることが出来たが、もし、あのプレーがなければ確実に負けていただろう。
- 危うく車にぶつかりそうになったが、とっさの判断でよけることが出来て事なきを得た。
- 天気予報では、台風が直撃ということで、どうなるかと心配をしたが、結果的に進路がズレたため、事なきを得た。
- 道で、やくざに絡まれそうになったが、たまたま警察官が通りかかったため、事なきを得た。
- 財布を落としてどうなるかと思ったが親切な人が届けてくれて、事なきを得た。
今回は、彼のお陰で事なきを得たが、同じような失敗は絶対にするんじゃないぞ。
「事なきを得る」の類語
「事なきを得る」には以下のような類語に言い換えることが出来ます。
「大事に至らずにすむ」
「大事に至らずにすむ」も、「事なきを得る」と同様、ピンチを脱した時によく使います。
この表現は、特に誰かが怪我をしたけれども、幸いにも軽症であったり、病気にかかったけれども、命に別状がなかったという時などによく使います。
「無事に済む」・「無事に終わる」
「事なき」とは、「無事」とほぼ同じ意味なので、「無事に済む」や「無事に終わる」と言い換えることも出来ますね。
ただ、「事なきを得る」は、一歩間違えれば大変なことが起こる可能性があった時に使う一方で、「無事に済む」や「無事に終わる」は、危ないことのあるなしに関係なく使います。
「事なきを得る」の反対語
「事なきを得る」には以下のような表現があります。
「大事に至る」
「大事に至る(だいじにいたる)」とは、小さい問題などが大きな問題や深刻な事態に発展するという意味です。
ただ、この慣用句は「大事に至らずに済む」や「大事に至る前に対策を取りましょう」という感じで、実際に大変なことを起こった時にはあまり使いません。
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「大ごとになる」
「大ごとになる」とは、大変なことになるという意味です。
漢字で書くと「大事になる」ですが、漢字で書くと「だいじになる」と別の意味になってしまうので、「大ごと」と書く時が多いです。
「事なきを得る」を英語では?
「事なきを得る」を英語では、以下のように表現することが出来ます。
- finish it without any trouble
- end without incident
- survive without problems
英語の場合は、問題(trouble, incident, problem)なく終えるという感じで表現します。
まとめ
「事なきを得る」ことは、一歩間違えた時は、大変なことが起こっていた時に使う慣用句ですが、そういった時は、本当にホッとしますよね。
実際に、「事なきを得る」ことが出来たというのは、ある意味、非常に運が良かったのだと言えます。
ですから、そういった時は、自信を持って、前向きにがんばってみるのも良いのではないでしょうか?