ネット用語を見ていると、ゲームをしている若者が「芋る」という表現を使うのをよく見かけます。
「芋る」は、現代は若者言葉としても定着していますが、以前から関西弁として使われていた言葉でもあります。
そこで、ここでは「芋る」の意味や使い方について詳しく解説をしていきます。
「芋る」の意味
「芋る」は、元々、「ビビる」、「物怖じする」、「緊張しておどおどする」という意味の関西弁です。
また、最近では、シューティングゲームやバトルロイヤルゲームなどで、一点の場所に留まり、待ち伏せばかりしているプレーヤーを「芋る」と呼び、若者言葉として全国で使われています。
積極的な攻撃をしかけないことは、物怖じしているように見えるという点で共通していますね。
「芋る」の語源・由来
「芋る」の語源には諸説があります。
- ゲームの中で、なかなか動かないようにしている人は、芋虫のようだというところから、「芋」と呼ぶようになり、そこから「芋る」という表現が生まれた
- 田舎者を表す言葉「イモ」に動詞化の接尾辞である“る”が付いて出来た(田舎者は都会に出て来た時、おどおどとしているから)
- 怖気づくという意味の「芋を引く」という表現から来た
ゲームの中での「芋る」は、関西弁の「芋る」から来たのか、それとも「芋虫」から来たのかは定かでは分かりません。
ただ、いずれにせよ、「芋る」はゲームが若者の間で流行る前から存在していた言葉です。
ですから、元々は「田舎者」の「芋」から来たか、あるいは「芋を引く」から来たかのどちらかだと思われます。
「芋る」の例文・使い方
関西弁としての「芋る」
関西で方言として使われてきた「芋る」は「ビビる」とか「怖気づく」という意味ですが、例えば、以下のように使われます。
- 街で、やくざと出会ってしまって、思わず、芋ってしまった。
- そんなことで、いもってんじゃねーよ。
ゲームの中での「芋る」
PUBGや荒野行動などのシューティングゲームで、一ヶ所に留まって、待ち伏せをしたりすることを「芋る」と言いますが、実際、この戦術は、一緒にゲームをやっている人からは、すごく嫌われる行為です。
バトルロワイヤルで、じっとしていて、周りの人達が潰し合うのを待つのは、ゲームとしては、やはりつまらないですからね。
ですから、誰かが相手のプレーヤーに対して「芋る」と言った場合は、批判的な意味で使われます。
- スプラトゥーン(※1)で芋るやつって一体何なんだよ~ ちくしょう。
- FPS(※2)で、スナイパーが芋って何が悪いんだ?スナイパーは隠れて打つのが本来の姿でしょう。
- 強いのに芋るなんてやられたら、こっちには勝ち目がない。
※1 スプラトゥーン:Wii U専用のアクションシューティングゲーム
※2 FPS:ファーストパーソン・シューティングゲームの略で、主人公の本人の視点で戦うアクションゲームのスタイル
テニスでの「芋る」
テニスでは、審判が存在せず、プレーヤー同士でセルフジャッジをする時がよくあります。
ただ、そんな時、ボールが入っているのに「アウト」とコールするなど、正当なジャッジをしてくれない人がいます。
そのようなことを「芋る」とか「芋ジャッジ」と呼んだりします。
まとめ
「芋る」は、関西弁として使われる場合、ゲームの中で使われる場合、そしてテニスで使われる場合で、意味合いが微妙に違います。
ですから、いくつかの意味のパターンを把握しておいて、状況ごとに理解されることをお勧めいたします。