助け舟の意味・由来・例文・類語!それってどんな船?


先日、会社の同僚から「仕事が結構、溜まっているから助け舟をお願いしたいんだけど。」とお願いされたんですね。

その時、助け舟ってどんな舟かなって思いまして・・・

そこで、今回は、「助け舟」の意味、由来、例文、類語について解説をしていきます。

「助け舟」の意味

「助け舟」とは、誰かが困っている時に助けることやものを意味します。

誰か、本当に困っている人を助ける時は「助け舟を出す」と言いますし、逆に、自分の力ではどうしようも出来ないほど大変な時は、「助け舟をお願いする」という形で使ったりします。

「助け舟」は、お手伝い、サポート、応援などと同じような意味で使われることも多いですが、特に、当人が普通の状況ではなく、本当に困っている時に「助け舟」をよく使うと理解しておけば良いでしょう。

「助け舟」の由来

「助け舟」は、元々、水上で遭難をした人たちを助けるために出す船が由来となって出来たことわざです。

「助け舟」という概念は、平家物語にも出て来たという話もありますが、はっきりといつから生まれたことわざであるは定かではありません。

ただ、舟で誰かを助けるという考え方は、ある意味、どこでもあるかと思います。

聖書の中では、ノアの箱舟というのもありましたし、あのタイタニック号が沈没した時は、カルパチアという客船が助け舟として活躍したりしました。

「助け舟」の例文

いやあ、やっと仕事が全部終わった。最初はどうなるかと思ったけど、無事に終えることが出来て本当に良かったね。

次郎

太郎

僕もいろいろ大変だったけど、次郎君が助け舟を出してくれたから、本当に助かったよ。

という感じで「助け舟」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「助け舟」の例文1

「インタビューで答えに窮した時、横にいた人が助け舟を出してくれたので、何とか切り抜けることが出来た。」

インタビューや会議の場で、自分が何かを話さなければならないのに、言葉がうまく出て来ない時は、焦りますよね。

そんな困った時に、代わりに答えてくれたりすることを「助け舟」と呼んだりします。

「助け舟」の例文2

「給料日前でお金がなかったので、友人に助け舟をお願いして何とか乗り切ることが出来た。」

お金が必要だけれども、手元にない時は、精神的にかなり追い詰められた状態になります。

そんな時は、藁にも縋る(わらにもすがる)気持ちになりますが、そういった状況で助けを求める時にも「助け舟」という表現を使います。

「助け舟」の例文3

「A社は倒産しそうになったがB社が資金援助という助け舟を出すことによって何とか倒産の危機を回避した。」

助け舟は、普通の人間関係でも使われますが、企業同士、あるいは国同士の関係でもよく使われます。

どういったレベルであれ、困った時はお互い様ということで。

「助け舟」の類語

「助け舟」には以下のような類義語があります。

「助太刀」

「助太刀」とは、加勢や援助をすること、或いはその人を意味します。

「助太刀」は、果し合いや仇討ちをする時に刀を使って戦いながら加勢することが語源となった言葉です。

その一方で「助け舟」は舟で助けるということですね。

語源は違いますし、「助け舟」の方が困っている人を助けるニュアンスがより強いですが、基本的には同じような意味でよく使われます。

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「渡りに船」

「渡りに船」とは、必要なものがちょうどよく与えられたり、望ましい状態になったりするという意味です。

「渡りに船」も「助け舟」も、舟(船)を使った表現ですね。

ただ、「渡りに船」は川の渡し場にタイミングよく船が到着すること由来していますが、「助け舟」は遭難している時に助けに来てくれる舟であるという違いがあります。

ですから

  • 渡りに船:タイミングよく助けられること
  • 助け舟:困っている時に助けられること

というニュアンスの違いを理解した上で使い分けると良いでしょう。

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まとめ

「助け舟」は、遭難した人を助けたりする時に使う船が語源になっていることからも分かるように、本当に困った時に出すサポートを意味します。

人間、困った時はお互い様ですから、困った時は誰かに助け舟を求める時もありますが、逆に、いろいろな人に助け舟を出せる人になっていければいいですよね。