猪鹿蝶の意味や由来を解説!やっぱり縁起がいいの?

猪鹿蝶という言葉は、花札を知らない人でも聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

何か、響きを聞いていると縁起が良そうな気もしますよね。

そこで、ここでは、猪鹿蝶の意味や由来について解説をしていきます。

猪鹿蝶の意味

猪鹿蝶は、花札の役の一つです。

花札で、猪鹿蝶は以下の3枚から構成され、取り札ではいずれも10点です。

  • 萩に猪(はぎにいのしし):7月の札
  • 紅葉に鹿(もみじにしか):10月の札
  • 牡丹に蝶(ぼたんにちょう):6月の札

花札のルールを超簡単に説明すると

花札は、2人で遊ぶ「こいこい」、3人で遊ぶ「花合わせ」、そして3~7人で遊ぶ八八(はちはち)といくつかの遊び方があり、地域によっても多少ルールが異なります。

子供の頃、花札で遊んでいたけれども、ルールをすっかり忘れてしまったという方のために、「こいこい」のルールを超簡単に説明すると以下のようになります。

  1. 各手札に8枚、場に8枚、残りは山札として裏を向けて積んでおく。
  2. 先手の人が手札の中から一枚捨て、それが場の絵柄と合えば、自分の取り札になる。
  3. 絵柄が合わない札は場に残る。
  4. 次に山札から一枚をめくり、同じ絵柄の札があれば、自分の取り札になり、なければ場に残す。
  5. この手順を繰り返し、取り札が増えて役が出来たら勝ち。
  6. 「こいこい」をして勝負を続行することも可能。

詳しいルールは、任天堂の公式HPでのルールの説明をご覧ください。

ちなみに、任天堂のルールでは、猪鹿蝶は5点とカウントされ、他の10点札が1枚増えるごとに1点プラスされます。

猪鹿蝶の由来

猪鹿蝶は、花札から来た表現ですが、それぞれの札の由来は以下のように言われています。

(ただ、「牡丹に蝶」の由来は、見当たりませんでした。)

「萩に猪」の由来

萩の花は、古来から「伏猪の床(ふすいのとこ)」、つまり猪が敷いて寝るところだと知られています。

優雅な荻の花と野生の荒々しい猪は好対照だと言われて、このような取り合わせは日本古来からの絵のモチーフだったそうです。

「紅葉に鹿」の由来

「紅葉に鹿」の由来には、実は、悲しい歴史がありまして・・・

お堂で習字の練習をしていた子供が、紙を食べようとした鹿を追い払おうと文鎮投げたところ、鹿の急所に当たり、鹿が死んでしまいました。

当時、鹿は神の遣いだと見なされていたため、鹿を殺してしまった子供は、生き埋めの刑で殺されてしまいます

その死を悲しんだ母親が、供養のために紅葉の木を植えたのが「紅葉に鹿」の由来だと言われています。

「紅葉に鹿」をよく見てみると、鹿が何かを無視しているように見えますが、こういった悲しい由来があったからなんでしょうね。

そして、人を無視することを「しかと」と言ったりもしますが、実は「紅葉に鹿」の絵柄「鹿の十(しかのとお)」が略された言葉が語源であると言われています。

あるいは、「鹿頭(しかと)」が語源になっているという説もありますが、いずれにせよ、花札から来た言葉であることは間違いないようです。

猪鹿蝶は縁起がいい?

猪鹿蝶は、花札の中では点数の高い役なので、花札が好きな人にとっては、非常に好まれている言葉ですよね。

さらに、

  • 猪:子孫繁栄の象徴(猪は多産の動物として知られているため)
  • 鹿:財運の象徴(風水で鹿の存在は給料を表すため)
  • 蝶:魂の象徴(魂が姿を変えたものだと考えられたため)

ということで、猪鹿蝶は、とても縁起が良いものだともされています。

花札で遊ぶ時は、猪鹿蝶のそんな縁起の良さも噛みしめてみたら、面白いかもしれませんね。