胸三寸の意味・例文・類語!胸先三寸との違いについて詳しく解説!


先日、友人が、ある裁判事件について「今回の判決は、判断の難しいところだから、最後は、裁判官の胸三寸で決まるだろうな。」と話していたんですね。

その時、これって「胸三寸かな、それとも胸先三寸から?」といろいろ考えてしまいまして・・・

そこで今回は「胸三寸の意味、語源、例文、類語についてお伝えしていきます。

「胸三寸」の意味

「胸三寸」とは、胸の中、心の中にある考えという意味です。

「胸三寸」は、よく「胸先三寸に納める」という慣用句がありますが、これは「誰にも言わないで心の中にしまっておく」という意味です。

この慣用句とセットで覚えておくと良いでしょう。

胸先三寸との違いは?

「胸三寸」のよく似た慣用句として「胸先三寸」という表現があります。

「胸先三寸」も「胸三寸」と同じような意味で使われますが、本来は「胸三寸」の方が正しい表現です。

その一方で、最近は「胸先三寸」を使う人も増えているので、「胸先三寸」は必ずしも間違った表現だと言えないのではという方もいらっしゃいます。

確かに、慣用句の中には、時代の流れによって、以前は間違いだったものが正しい表現に変化するものもあります。

ただ、「胸三寸」と「胸先三寸」に関しては、現時点では「胸三寸」を使っておいた方が無難だと言えるでしょう。

「胸三寸」の語源・由来

「胸三寸」の三寸は短い距離のたとえで使われる表現です。

ですから「胸三寸」は、胸の中の範囲を意味し、それは、その人にしか分からないというニュアンスがあります。

ちなみに「三寸」を同じような意味で使った言葉として「舌先三寸」という慣用句もあります。

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「胸三寸」の例文・使い方

あいつの態度は本当に許せないな。今度、何かあったら、何がいけないのかキチンと説明して上げるつもりだよ。

次郎

太郎

溜まったストレスを胸三寸に納めることも時には必要だけれども、確かに今回のようなケースでは、言うべきことをしっかり言った方がいいと思うよ。
という感じで「胸三寸」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「胸三寸」の例文1

「求人に応募して来た人達は、みんな素晴らしいスキルを持った人達なので、後は、人事部長の胸三寸で決まるのだと思う。」

求人をして誰が決めるかは、もちろん、その人の実力や経歴も重要ですが、最後は、採用を決める人の判断で決まりますよね。

そこは、客観的な材料からは判断できない部分なので「胸三寸」という表現を使ったりします。

「胸三寸」の例文2

「彼は、社長に言いたいことが山ほどあったが、それを言ってしまうと解雇になる可能性が高いので、胸三寸に納めることにした。」

会社で働いている人の中には、言いたいことがあっても、会社での自分の立場を守るために黙っているという人も多いのではないでしょうか?

本当は正直に言った方がスッキリするのでしょうが、やっぱり胸三寸に納めることも時には、大切ですよね・・・

「胸三寸」の例文3

「その会社は、ワンマン社長の胸三寸で、すべての重要事項が決められている。」

オーナー企業とかには、よく見られるケースですが、社長や会長が絶対的な権限を持っている会社ってありますよね。

権限を持った人の決定には誰も逆らえない時、少し皮肉の意味も込めて「胸三寸」という言葉を使ったりします。

「胸三寸」の類語

「胸三寸」の類語についてですが、「胸三寸で決める」、「胸三寸で決まる」という表現で使う場合は、

  • 独断と偏見
  • さじ加減ひとつ
  • 胸一つ
  • 一存で
  • 独自の判断で
  • 個人の裁量で

という類語を言い換えることが可能です。

その一方で、「胸三寸に納める」という表現で使う場合は、

  • 胸の中
  • 心中

という類語と言い換えることが出来ます。

「胸三寸」と似た表現

「胸三寸」には、似たような表現がいろいろあるので、この場を借りて整理しておきます。

  • 胸先三寸:胸三寸の誤った表現
  • 舌先三寸:口先だけでうまく相手をあしらうこと、或いは、その言葉
  • 口先三寸:舌先三寸の誤った表現

どれも「三寸」を使っているので、紛らわしく感じてしまうかもしれませんが、混同しないようにご注意下さい。