時代劇を観ていたら、悪いことをした人が、代官に対して、「どうか、お目こぼしを!」と叫んでいるシーンを見かけました。
その時、「お目こぼし」は、今の時代でも使われているのかなと考えまして・・・
そこで、今回は、「お目こぼし」の意味、使い方、そして類語について解説をしていきます。
「お目こぼし」の意味
「お目こぼし」とは、本来、とがめるべきことを見逃すことを意味します。
元々は、悪いことをしているのですから、それを見逃すことも、良いことだとは言えません。
しかし、何らかの事情ゆえに、お咎めしない時や、何とか見逃して欲しいとお願いしたい時に、「お目こぼし」という表現を使います。
また、最初の「お」は丁寧語です。
客観的に表現する場合は、「お」を取って「目こぼし」という時もありますが、誰かに見逃してもらえるようお願いする時は、「お目こぼし」と「お」を付けます。
「お目こぼし」の語源
「お目こぼし」は、漢字で書くと、「お目溢し」です。
つまり元々は、「目から溢す(めからこぼす)」というたとえが由来となっています。
「目からこぼす」とは、目に入れないようにすることですから、気づかないふりをして見逃すことを「お目こぼし」と呼ぶようになった訳ですね。。。
「お目こぼし」の例文・使い方
次郎
太郎
- 食べ物がもったいないからといって、勝手に家に持ち帰ることをお目こぼしする訳にはいかない。
- この問題は、本来は、違法だともいえるが、お目こぼしを受け、グレーゾーンとして扱われてきた。
- 社長は、仕事の失敗をした人が、お気に入りの部下だと分かると、あっさりお目こぼしした。
- この分野に関して、私は専門家ではないので、万が一、間違った説明をしてもお目こぼしをお願いします。
- 警察に、お目こぼしをしてもらうよう必死にお願いしたがダメだった。
- 自動車教習所の卒業検定では、多少のミスをしても、お目こぼししてもらえることが多い。
- イケメンは、何をやっても、お目こぼしされることが多いので、世の中は、不公平だと思う。
「お目こぼし」の類語
「お目こぼし」には以下のような類語があります。
- お見逃し
- 見て見ぬふり
- 大目にみること
- 看過
- 黙認
- 見ないふり
こういった行為は、本来はしてはいけないことだと頭では分かっていても、実際に自分が失敗をしたりしたら、ついつい願ってしまうことが多いですよね。
まとめ
「お目こぼし」は、時代劇にも登場するように、昔から使われて来た言葉ですが、現代でもよく使われます。
普通に、「見逃す」という表現などを使っても良いのですが、その行為をより強調したい時に、敢えて「お目こぼし」という表現を使ったりします。
ただ、関西で、「お目こぼし」というと、ちょっと変な意味として捉えられてしまうリスクがあるので、ご注意下さい。