取り越し苦労の意味・使い方・類語!故事成語に言い換えると!?


こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

先日、私の知人のお子さんが、国家試験に合格したそうですが、友人は子供が試験に落ちるんじゃないかと夜も眠れないほど心配していたみたいで・・・

無事に合格したことが分かった後は、「いろいろ心配したけど、取り越し苦労に終わって本当に良かったよ。」とホッとしていました。

その時「取り越し苦労」という言葉が気になったのですが、こういった苦労している人って本当に多いですよね。

ということで、今回は、「取り越し苦労」の意味、使い方、類語について解説をしていきます。

「取り越し苦労」の読み方

「取り越し苦労」の読み方は、「とりこしくろう」です。

また、「とりこしぐろう」と“く”を濁音化しても大丈夫です。

「取り越し苦労」の意味

「取り越し苦労」とは、どうなるか分からないことをあれこれと心配することを意味します。

「取り越し」とは、繰り上げて先にすることを意味します。

繰り上げて先に行うためには、先のことをいろいろ考えなければなりません。

そこから、まだ起こるか分からない先のことをいろいろ考えて心配してしまうことを「取り越し苦労」と言うようになったのです。

「取り越し苦労」の例文・使い方

明日、資格試験を受けるんだけども、本当に受かるかどうか心配なんだよね。

次郎

太郎

その試験なら、ウチの会社で一人も落ちた人はいないから、心配しても取り越し苦労に終わるだけだよ。

という感じで「取り越し苦労」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 私が子供の頃は、1999年に地球が滅ぶという予言があったから心配で夜も眠れないくらいだったが、今から振り返れば完全に取り越し苦労だった。
  • 災害の備えは、取り越し苦労になるぐらい準備するのが良い。
  • そのタレント夫婦は、不仲説が飛び交って、離婚の危機も囁かれたか、仲睦まじい写真を公開し、そういった心配は取り越し苦労であることを証明した。
  • 連絡をしても返事が来なかったので嫌われてしまったのではないかと心配したが、ただ単に仕事が忙しかっただけで取り越し苦労であったようだ。
  • 昔から、取り越し苦労をする性格で、精神的に疲れることが多かったので、治す方法を探している。
  • 取り越し苦労をやめたい人は、今やるべきことにとにかく集中してみると良いでしょう。
  • 仕事で取り越し苦労が多い人には完璧主義者が多い。

「取り越し苦労」の類語

取り越し苦労には以下のような類語があります。

  • 杞憂(きゆう):心配する必要がないことを、あれこれ心配すること
  • 心配しすぎ:必要以上に心配してしまうこと
  • 余計な心配:心配する必要がないことを心配すること
  • 無用の心配:必要ない心配をすること

「取り越し苦労」を故事成語に言い換えると「杞憂」

特に、「杞憂」と「取り越し苦労」は基本的に同じ意味で使われます。

「取り越し苦労」を故事成語で表すとすれば「杞憂」です。

「杞憂」は、「杞憂に終わる」という表現をよく使いますが、この表現も「取り越し苦労に終わる」とそのまま言い換えることが可能です。

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まとめ

「取り越し苦労」は、先の事を考えて、つまらない心配をすることを意味しますが、「苦労」という表現を見ても分かるように、「取り越し苦労」で疲れてしまうことが多いので、治したいと思っている人は実に多いですよね。

将来のことを考えて、必要以上に不安になってしまったり、仕事面で、いろいろな心配をし過ぎてしまったりと、余計な悩みというものは本当に尽きないものです(笑)

ただ、心配事の96%は取り越し苦労であるというアメリカの統計データもあるので、今の状況を客観的に見ながら、より楽観的に発想するような思考の訓練をしていければ良いのではと思います。