先日、ある小説の書評を読んでいたら「この作品は厭世的なところがある」という記述があったんですね。
その時、「厭世的」という表現を見て、これは、分かりづらい漢字を使っているから、読み方が分からない人も多いのではと思いまして・・・
そこで、今回は「厭世的」の読み方、意味、例文、類語、反対語、そして英語での表現について解説をしていきます。
「厭世的」の読み方
「厭世的」の読み方は「えんせいてき」です。
「厭」という漢字は、あまりに見慣れないかもしれませんが、音読みは「エン」で、他にも「倦厭(けんえん)」という表現で使われたりします。
また、「厭」の訓読みには、「厭う(いとう)」や「厭きる(あきる)」があります。
「厭世的」の意味
「厭世的」とは、人生に悲観して、生きていることが嫌になってくるような状態を意味します。
「厭世」とは「世を厭う(よをいとう)」という意味です。
「厭」は「嫌」と似た意味を持つ言葉ですが、「嫌」は、より一般的に「嫌になる」という表現であるのに対して、「厭」は、飽きて嫌になるというニュアンスがあります。
ですから「世の中が飽きて嫌になる」という意味合いで、「厭世的」という表現は使われます。
この表現は「厭世的な生き方」とか「厭世的な性格」など、その人の持っている人生観や価値観を表現する際に使われることが多いですが、基本的に、良い意味では使われません。
「厭世的」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「厭世的」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- この思想は、どこか厭世的なところがある。
- 不幸なことが立て続けに起こって、一時期、厭世的な性格になってしまった。
- この映画は、厭世的で、観ていても気持ちが落ち込むだけだから、観ない方がいいよ。
- 彼は、幼少時代の辛い経験から、次第に厭世的な生き方をするようになっていった。
- 彼は、作品の中で、厭世的なキャラとして性格を設定されている。
- 厭世的な考え方を持つのは、個人の自由だけれども、それを周りにまき散らさないで欲しい。
「厭世的」の類語
「厭世的」の類義語には、以下のような表現があります。
- 悲観的
- 絶望的
- ネガティブ
- 否定的
- ペシミスティック
- 虚無的
- ニヒリスティック
ニュアンス的には若干違う表現もありますが、周囲の環境を否定的に見るという点では、共通しています。
「厭世的」の反対語
「厭世的」という表現をずっと聞いていると、気持ちが暗くなってしまうかもしれないので、反対語(対義語)もご紹介していきますね。
- 楽天的
- 希望的
- ポジティブ
- 肯定的
- 前向き
- オプティミスティック
世の中の良い面ばかりを見てしまうこともバランスが欠けてしまうのかもしれませんが、比重的には、厭世的とは反対の考え方の方が良いのではないでしょうか。
「厭世的」の英語での表現は?
「厭世的」は、英語で表現すると、“pessimistic” です。
“pessimistic” は、厭世的以外にも悲観的という意味としても使われますね。
また、“pessimist” と書けば、厭世主義者とか悲観主義者という意味になります。
“pessimistic” は、例えば、
- This religion is pessimistic.(この宗教は厭世的である)
という感じで使うことが出来ます。
まとめ
「厭世的」という表現は、人生や世の中に悲観して、生きていくのが嫌になってしまう状態を意味するので、決して、良いことだとは言えません。
確かに、生きていれば、いろいろなことがありますし、人生は、どちらかと言えば、良い時よりも辛い時の方が多いかもしれません。
ですから時には、落ち込んでしまったり、厭世的になってしまうことがあっても、それはしょうがないと思います。
ただ、そういった状態を続けていると、幸せを感じる可能性は低くなってしまうので、出来るだけ、気持ちを前向きに持って行くことが大切だと 個人的には強く思っています!