この間、友達と面白いと評判の映画を観に行ったのですが、見終わった後、「この作品は、まごうとなき名作だ」と言っていたんですね。
その時、「まごうことなき」って何だか聞き慣れない言葉だなあと思いまして・・・
そこで、今回は「まごうことなき」の意味、例文、類語、そして英語での表現について解説をしていきます。
目次
「まごうことなき」の意味
「まごうことなき」とは、他のものと取り違えることがない、間違えることがない、明らかなという意味です。
実際、「まごうことなき」と聞いても、意味が分かりづらいという方も多いのではないでしょうか。
ただ、漢字も交えてお伝えすると、意味がより伝わりやすくなるかと思います。
「まごうことなき」は漢字で書くと、「紛うことなき」です。
「紛う」とは、入り乱れたり似たりしていて、紛らわしい状態のことを指します。
「まごうことなき」は、その否定形なので、紛らわしくない、すなわち、間違えることがないという意味になる訳ですね。
読み方はいろいろあって紛らわしい
「まごうことなき」は、漢字で書くと、「紛うことなき」ですが、「まがうことなき」と言っても大丈夫です。
「まごうことなき」は「まがうことなき」を音便化した読み方で、話す時は「まごうことなき」の方が言いやすいですよね。
また、似た表現として、「紛う方なき(まがうかたなき・まごうかたなき)」という表現もありますが、すべて正しい表現です。
ここら辺は、紛らわしいですが・・・
「まごうことなき」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「まごうことなき」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- これは、変な形をしているけれども、まごうことなきジャガイモです。
- これほどの圧倒的な成績を残した彼は、まごうことなき天才だ。
- まごうことなき老舗のお店で、懐石料理を心から堪能した。
- 彼は、小さな声で話したが、それは、まごうことなきプロポーズだった。
- この映画には、お笑い芸人も出ているが、内容はまごうことなきミステリー作品だ。
- 一ヶ月に45時間以上も残業があるなんて、この会社はまごうことなきブラック企業だ。
「まごうことなき」の類語
「まごうことなき」には以下のような類語があります。
「紛れもない」
「紛れもない」は、「まごうことなき」と同じ漢字を使っており、同じ意味の言葉でもあります。
「まごうことなき」だと少し分かりづらい人もいるので、そんな時は「紛れもない」を使った方が分かりやすいと言えますね。
「間違いなく」
「間違いなく」は、必ずと言って良いほどに高い確率で、という意味です。
「紛れもない」と同様に、「まごうことなき」をより分かりやすく、表現したい時は「間違いなく」を使っても良いでしょう。
「疑う余地がない」
「疑う余地がない」とは、本当は正しくないのではないかと疑うことが出来る要素がないという意味です。
疑念を差しはさむだけの疑わしさがまったくないということで、「まごうことなき」と同じ意味で使えます。
「一目瞭然」
「一目瞭然」とは、ただ、ひとめ見るだけで、はっきりと分かる様を意味します。
「まごうことなき」は、一見すると紛らわしい場合にも使うので、若干のニュアンスの違いはありますが、似たような意味で使えます。
「火を見るよりも明らか」
「火を見るよりも明らか」とは、きわめて明らかで、疑う余地がないという意味です。
明らかなことを、ことわざを使った表現したい時は、この表現を使うと良いでしょう。
「まごうことなき」を英語で
「まごうことなき」を英語で表現すると、以下のように訳すことが出来ます。
- undoubted(疑う余地のない)
- unmistakable(間違いない)
- definite(明白な)
- real(本物の)
まとめ
「まごうことなき」は、少し古風な言い方ですが、現代においても、いろいろと使われている言葉です。
より分かりやすく「紛れもない」という表現などを使っても良いかもしれませんが、少し雰囲気を持たせたい時は「まごうことなき」を使ってみてはいかがでしょうか?