この間、ネットでニュースを読んでいたら「外国人は日本人のマナーの良さを見て、吃驚することが多い。」と書いてありました。
その時「吃驚」の読み方って何だろうといろいろ考えてしまったのですが、実は、ものすごく馴染みのある言葉だったんですね。
そこで、今回は、「吃驚」の意味、使い方、そして類語も含めて解説をしていきます。
「吃驚」の読み方
「吃驚」には、「びっくり」と「きっきょう」という2通りの読み方があります。
「びっくり」と読むと聞いて、ビックリした人もいるかもしれませんね^^;
ちなみに、「きっきょう」は「吃驚」を音読みしたものです。
「びっくり」という表現は元々、日本にあった言葉ですが、中国から来た「吃驚」の当て字として使われるようになりました。
どちらも辞書に載っている正しい読み方となりますが、一般的には、やはり「びっくり」と読む時の方が圧倒的に多いです。
「吃驚」の意味
「吃驚」は、突然の事や、意外な事に驚くことを意味します。
人は、良いことに吃驚することもあれば、悪いことにも吃驚することもありますが、いずれによせ、予想外の出来事に、心が動揺する状態を指して言います。
また、これは、「吃驚」を「びっくり」と読む場合に限定した時となりますが、わずかに動くさま、という意味もあります。
こちらの意味の場合は、例えば「吃驚とも動かせず」というように否定的な表現で使います。
「吃驚仰天」という四字熟語の意味
吃驚を使った四字熟語として「吃驚仰天」という表現があります。
「吃驚」も「仰天」も驚くという意味なので、似た意味の言葉を続けることによって、びっくりしたことをより一層強調しています。
「吃驚」の語源
「吃驚」は、第一世界大戦で、ドイツが負けた時、ドイツ人の捕虜が「Wirklich(本当に?)」と言ったことが「びっくり」と聞こえたことが語源だという説が以前、テレビで話題になっていた時があります。
しかし、「吃驚」は、室町時代には見られる言葉なので、ドイツ語が由来という説は、ちょっと怪しいとも言えます。
もともと、「吃驚(びっくり)」は、「びくり」が促音化(つまる音)した表現であるとか、驚いた時に「びくっ」と小さく動くことから「吃驚(びっくり)」という表現が生まれたと言われたりしています。
また、吃驚の漢字を分解してみると、「吃」は訓読みすると「どもる」となり、「驚」を訓読みすると、「おどろく」ですね。
ですから、驚きのあまり、どもって言葉が出て来ない様子から、びっくりするという意味になったという説もあります。
「吃驚」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「吃驚」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- そのテーブルは折りたたむと吃驚するぐらい小さくなる。
- 彼の剛速球を見て、スカウトの人達は吃驚した。
- このインスタントラーメンの美味しさには、ラーメン屋さんも吃驚するはずだ。
- 彼女は、すれ違う人が、吃驚するぐらい美しい。
- 彼女が突然、流暢な英語を話し始めたので、周りの人達は吃驚した。
- こんなにクオリティが高い商品なのに、値段も安くて吃驚した。
- 夜中に地震があり、吃驚して起きた。
- 彼女のすっぴんを見て、本当に吃驚した。
- 心臓が止まりそうなくらい吃驚した。
「吃驚」の類語
「吃驚」には、以下のような類語があります。
- 驚愕(きょうがく):非常に驚くこと。
- 仰天(ぎょうてん):表示に驚くこと。あきれ返ること。
- 驚嘆(きょうたん):びっくりして感心すること。
- 震撼(しんかん):強いショック震え動くこと。
- 愕き(おどろき):びっくりすること。おどろくこと。
- 喫驚(きっきょう):びっくりすること。おどろくこと。
「喫驚」と「吃驚」の違い
「喫驚」と「吃驚」は、実は、どちらも「きっきょう」と「びっくり」の両方の読み方が出来ます。
より多く使われるのは、「吃驚」の方ですが、それでもやはり「びっくり」とか「ビックリ」と書くのが最も一般的です。
吃驚はパソコンの時代だからこそ!?
「吃驚」と書いても、読み方が分からない人は、多いのではないでしょうか。
ですから、「びっくり」と書く場合は、敢えて漢字にしないで、平仮名、またはカタカタにして書く方も多いかと思います。
その一方で、「びっくり」をパソコンで入力して変換すると「吃驚」が出て来るので、何でも漢字でタイピングをしたがる人は、結構、使っているかもしれません。
そういった意味で、「吃驚」はパソコンの時代だからこそ、使われる頻度が高まっているのかなと個人的には思ったりしています。