先日、ある経営者の方が「会社にとって大切なのは、組織の体裁を整えることではなくて、しっかりと収益を上げていくことだ。」と力説していました。
その時、「体裁を整える」と聞いて、これってもしかしたら、悪い意味で使われることが多いのかなといろいろ考えたんですね。
そこで今回は、「体裁を整える」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「体裁を整える」の読み方
「体裁を整える」の読み方は、「ていさいをととのえる」です。
ここで読み間違えやすいのは、やはり、「体裁」の「体」だと思います。
「世間体」など、外から見た様子を表す時は「てい」と読みますので、くれぐれも「たいさいをととのえる」と読まないようにして下さいね。
「体裁を整える」の意味
「体裁を整える」とは、外見がよく見えるように取り繕うことを意味します。
やはり何だかんだといって、外から見た見栄えは大切です。
外見によって、物事の可否を判断されることはビジネスの世界でもよくあることですよね。
ただ、外見ばかりを気にし過ぎると、内面をおろそかにしてしまう人が中にはいらっしゃいます。
ですから、そのように内面を差し置いて、外面ばかりを気にしてしまうというネガティブなニュアンスで、この表現を使う時もあります。
また、エクセルやワード、あるいは履歴書やレポートなど、文書の書式を整えることも「体裁を整える」と言います。
このように、「体裁を整える」は、人の外見だけでなく、書類などの事柄の外見も取り繕う時にも使える表現です。
「体裁を整える」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「体裁を整える」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- この国が国家として体裁を整えるには、まだ時間が掛かるかもしれない。
- 会議の資料として出すには、エクセルのもっと体裁を整えた方がいいよ。
- この動画は、まだ粗いので体裁を整えて、改めてアップする予定だ。
- Word文書の体裁を整えるスキルは最低限、身に付けよう。
- ブログの記事の体裁を整えると読んでもらいやすくなる。
- 店舗の体裁を整えるだけでお客さんを呼べるという訳ではない。
- 履歴書の体裁を整えると会社側の反応も大きく違ってくるものだ。
- 彼のメールは体裁が整っていて、非常に読みやすい。
「体裁を整える」の類語
「体裁を整える」は、状況によって以下のような表現に言い換えることが出来ます。
世間体を繕う
「世間体を繕う」とは、世間の人に対する体面を整えるという意味です。
この表現も、「外から見たものに対して気にするけれども、内面は気にしていない」という点で、「体裁を整える」と共通したニュアンスがあります。
格好をつける
「格好をつける」は、できるだけ、さまになるよう、体裁がよくなるよう、気にして振る舞うことを意味します。
外見を気にするという点では「体裁を整える」の意味と共通した部分もあります、「格好をつける」方が、より良いところを見せようという積極的な意識が強く出て来ます。
また、「格好をつける」は人に対して使いますが、書類など物に対しては使いません。
形を整える
「形を整える」とは、より整った形にすることを意味します。
ここでの「形」は文字通り形を表しますね。
その一方で、「体裁」は、見栄え的なニュアンスがより強くなります。
書式を整える
「書式を整える」とは、書類の書き方やレイアウトを整えることを意味します。
この表現は、文書に限定して使う表現です。
ですから、書面の体裁を整えるという表現する時は、「書式を整える」に言い換えることも可能です。
「体裁を整える」の反対語・対義語
「体裁を整える」の反対語は、外見ではなく内面を大切にするという意味から考えると、
- 中身を豊富にする
- 内容を豊かにする
- 充実度を高める
などがありますね。
まとめ
「体裁を整える」は、外見ばかりを気にし過ぎて、内面をおろそかにしてしまうという否定的なニュアンスで使われる時も確かによくあります。
ただ、履歴書など、最初の入り口として使われるもの、あるいは書類など、よりオフィシャルなものに関しては「体裁を整える」ことが非常に大切となってきます。
もちろん、最後は、中身が重要となってきますが、だからといって体裁をおろそかにしてしまうと、思わぬところで、厳しい社会の現実にぶつかってしまう時もあります。
実際、今の社会で、体裁を整えることは何だかんだと言って重要視されてしまうので、その点は、事前に理解しておいた方が良いかもしれません。