先日、ニュースで「こういった高齢者は、保険会社にとっては、鴨が葱を背負って来るような客だ。」と言われていたんですね。
その時、「鴨が葱を背負って来る」ってやっぱり悪い意味で使わられるよなあといろいろ考えまして・・・
そこで今回は、このことわざの意味、語源、例文、類語、そして対義語について解説をしていきます。
目次
「鴨が葱を背負って来る」の意味
「鴨が葱を背負って来る(かもがねぎをしょってくる)」とは、とても好都合であるという意味です。
ここで、“鴨”だとたとえられる人は、お人よしで騙されやすい人という意味が含まれますので、その人を馬鹿にするようなニュアンスで使われることが多いです。
「鴨が葱を背負って来る」の語源
江戸時代は、鴨が人気の食材で、人々は鴨鍋をよく食べていました。
そんな鴨が、鴨鍋の具材として欠かせないネギを背負ってくれば、簡単に鴨鍋が出来るというたとえが由来となっています。
また、鴨肉は素材がよく、調味料など、あまり手を加えなくても良いので、料理人にとっては、扱いやすい食材だと見なされています。
そこから、利用しやすい人や騙しやすい人という意味が鴨には含まれています。
「鴨が葱を背負って来る」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「鴨が葱を背負って来る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
「鴨が葱を背負って来る」の例文1
「業者にとって、投資知識もなく、退職金で一気に投資をしようと相談に来る高齢者は、鴨が葱を背負って来るような存在である。」
退職金など、突然、大金を手にした人の中には、そのお金をさらに運用して儲けようと考える人がいますが。
しかし、株でも不動産でも知識があまりないまま、一気に投資すると、大損するリスクがあります。
それこそ、業者から見れば、鴨が葱を背負って来るような客にしか見えないでしょう。
「鴨が葱を背負って来る」の例文2
「こんな鴨が葱を背負って来るような話は、まずあり得ないから疑った方が良いと思う。」
世の中には、うまそうに見える話はたくさんありますし、まるで、鴨が葱を背負って来るような儲け話は、たくさんあります。
しかし、実際は、簡単には出来なかったり、リスクが大きかったりするケースがほとんどなので、時間を掛けて考えたり、疑ったりするのが良いと思いますよ。
「鴨が葱を背負って来る」の例文3
「ぼったくりが多い国にとって、日本人旅行者は、鴨が葱を背負って来るのと同じだ。」
私自身、いろいろな国を回ってみましたが、日本ほど、お人よしで、素直な人が多い国はありません。
実際、世界へ出てみると、平気で他人を騙す人が多い国はたくさんあります。
そういった所へ、日本人がいくと、簡単に騙されてしまうリスクがあるので、十分気を付けましょう。
「鴨が葱を背負って来る」の類語
「鴨が葱を背負って来る」には、以下のような類語があります。
- 棚から牡丹餅:何も労せずに思いがけない幸運が舞い込むこと
- 飛んで火に入る夏の虫:自ら進んで災いの中に飛び込んでいくこと
- 開いた口へ牡丹餅:努力や苦労もしないで、思いがけない幸運が舞い込むこと
- 鴨葱:「鴨が葱を背負って来る」の略語
どのことわざも、労せずにして、大きな効果を得られるという意味があります。
「鴨が葱を背負って来る」の対義語
その一方で、「鴨が葱を背負って来る」の対義語としては、以下のように、何か努力しなければ、良い結果は得られないという意味のことわざが該当します。
- 蒔かぬ種は生えぬ
- 打たぬ鐘は鳴らぬ
- 春植えざれば秋実らず
まとめ
「鴨が葱を背負って来る」とは、とても好都合であるという意味ですが、逆に相手は、損をしているケースが多いものです。
そんな人を、ちょっとバカにするようなニュアンスも含まれますので、相手に対して、直接言うことは控えるようにしておきましょう。