こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、我が家の息子が家で試験勉強をしていたのですが、よっぽど難しかったのか、
「えーい、あとは野となれ山となれ作戦だ~!」
と叫んでいました。
具体的な方法を聞いてみると、試験はマークシート方式なのですが、分からなくなったら鉛筆を転がして、適当に埋めていく作戦とのこと・・・
そんな息子にちょっと同情しながら、「後は野となれ山となれ」ということわざについても気になってしまったので、ここでは、このことわざの意味、使い方、類語、そして反対のことわざについて解説をしていきます。
目次
「後は野となれ山となれ」の意味
「後は野となれ山となれ」とは、目先のことさえ何とかなれば、後はどうなっても構わないという意味です。
作物を収穫した後の耕地は、野になろうが山になろうが、自分の知ったことではないというある意味、無責任な言葉ですよね。
ただ、場合によっては潔い姿勢を表す時もあります。
後の結果に対して、自分が責任を持とうとしても持つことが出来ないことってあるので、それに対して不安を抱くよりも思い切ってやった方が良いことも、実際あるからです。
「後は野となれ山となれ」の語源
「後は野となれ山となれ」は、江戸時代に近松門左衛門が作った浄瑠璃「冥途の飛脚」という作品の中に出て来た
「栄耀栄華も人の金、はては砂場も打ち過ぎて、あとは野となれ大和路や」
という一節から来ていると言われています。
「後は野となれ山となれ」の使い方・例文
次郎
太郎
- 会社を辞める時は、後は野となれ山となれと思わずに、引継ぎ資料をしっかり作ることが社会人として最低限の礼儀だと思う。
- テストの回答が全然分からないから、最後はマークシートで適当に塗りつぶしてしまった。後は野となれ山となれだ!
- 彼に出来る限りのアドバイスはして上げたけれども、彼が聞く耳を持たなければ、後は野となれ山となれと思うしかない。
「後は野となれ山となれ」の類義語
- 旅の恥はかき捨て
- 旅の恥は弁慶状
- 末は野となれ山となれ
- 先は野となれ山となれ
例えば、旅をしている時の人との出会いは、その場限りのものがほとんどです。
ですから、その時に何か恥じるようなことをやっても、その場を離れたら、後は知らないと考える人もいますよね~
「後は野となれ山となれ」の反対のことわざ
- 立つ鳥跡を濁さず
- 鳥は立てども跡を濁さず
- 鷺は立ちての跡を濁さず
- 飛ぶ鳥跡を濁さず
自分が去った後も、問題が起こらないようにしておくということは、一般的に鳥を使って例えることが多いです。
「後は野となれ山となれ」にしない方が良いけれども・・・
「後は野となれ山となれ」は、基本的に無責任な言葉ですから、勉強でも試験でも出来るだけ、そういった心境や状態にならないことに越したことはありません。
やはり、どんなに難しい環境にあっても、「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、最後まで諦めないことが大切です。
ただ、時と場合によっては、自分の力ではどうしようもない状況も出てくるので、そんな時は、「後は野となれ山となれ」と思って潔くがんばることもアリなんじゃないかと・・・
私自身、40年以上生きて来て感じることです^^;