諸刃の剣の意味・使い方・類語~読み方や漢字を間違える人は多い?

こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

最近、率直なコメントで人気だったあるタレントが突然、テレビから姿を消してしまったことがネットで話題になっていました。

どうやら、その率直過ぎるコメントが芸能界の大御所タレントを怒らせてしまったみたいなんで・・・

「やっぱり、芸能界って大変だよな~」と思いながら、ネットのコメントを見ていると「彼の発言は“諸刃の剣”だよね~」と表現をしている人がいました。

しかし、その一方で「彼は“諸刃の刃”のような存在だったからな~」と言っている人もいたんです。

この言葉には、いろいろな読み方や漢字があるみたいですね。

そこで、今回は、「諸刃の剣」の意味、読み方、使い方、そして類語などについて解説していきます。

「諸刃の剣」の意味

「諸刃の剣」とは、一方では非常に役立ったり効果を生み出したりするけれども、その一方でこちら側も傷ついたり被害を受けたりする危険性があるという意味です。

諸刃(もろは)は、両側に刃が付いている状態です。

そのような剣を振りかざすと人を斬ることが出来るけれども、逆に自分も傷つく恐れがあるという例えから来ています

「諸刃の剣」の読み方や漢字を間違える人が多い!?

実は、「諸刃の剣」は異なる読み方や漢字を使う人が多い言葉でもあります。

ありがちな読み方の間違いは、「もろはのけん」と読んでしまうことですが、「けん」ではなく「つるぎ」となります。

また、「もろはのやいば」と表現する人もいますが、その場合、漢字で書くと、「諸刃の刃」となり、刃が重複してしまいます

ですので、「諸刃の刃」は誤用だと言う人もいます。

しかし、その一方で広辞苑にも「諸刃の刃」は載っているので、一般的に使われる言葉だと認知されているようです。

言葉は、使う人が多ければ、それが正しい表現だとみなされるところがあるので、ここら辺は判断が難しいですよね。

「諸刃の剣」の例文・使い方

社長から「思ったことは何でも率直に言ってくれ」と言われたから、会社の問題点をズバズバと指摘したら、逆に「なんだ、その態度は!」って怒られちゃったよ。

次郎

太郎

率直に言うことは、諸刃の剣みたいなところがあるから、相手の問題点を指摘する時とかは、言い方に気を付けないとね。
  • そのインフルエンザの特効薬は、効果が抜群だか、副作用もあるので諸刃の剣みたいなものだ。
  • 誰に対しても思ったことをズバズバと言う彼は、支持する人も敵も作りやすく、諸刃の剣のような存在だ。
  • 原子力発電所は、効率的にエネルギーを作れるという点では便利だけれども、事故が起こると深刻な被害をもたらすという点で諸刃の剣である。
  • その政治家は非常に有能だけれども、スキャンダルも多いので、閣僚に選ぶことは諸刃の剣になりかねない。

「諸刃の剣」の類語・似た言葉

「諸刃の剣」の類語や似たような言葉には以下のようなものがあります。

  • 諸刃の刃
  • 両刃の剣
  • ハイリスク・ハイリターン
  • 劇薬
  • リスキー

世の中は「諸刃の剣」だらけ?

「諸刃の剣」と聞くと、メリットも大きいけど、リスクもあるから、出来るだけ避けた方がいいなあと思う人もいるかもしれません。

でも、よくよく考えてみたら、この世の中は「諸刃の剣」だらけです。

車は私たちの生活に欠かせないですが、毎年、事故で4,000名近くの方が亡くなっています。

インターネットを通じて世界中の情報を見られるようになりましたが、逆に世界中のハッカーから個人情報を抜き取られるリスクも高まっています。

携帯電話の登場で、気軽に電話が出来るようになりましたが、逆にいつ誰から電話が掛かって来るか分からない状態になって、余計、仕事が忙しくなっている人も多いはずです。

そういった意味で、便利なものには、多かれ少なかれ、諸刃の剣のような要素が含まれているんじゃないかと思うのです。

ですから、あとは、便利なツールを正しい判断で使っていくことが大切なのかもしれませんね。