こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、高校生の息子が、教科書に出て来る「水の東西」という評論で「表情に乏しい」という表現があるから意味を教えて欲しいと言われたんですね。
えっ、ただ単に表情が乏しいだけじゃないのと思ったのですが、実は噴水の話みたいで・・・
ここでは、「表情に乏しい」の意味や例文についてお伝えしていきます。
「表情に乏しい」の意味
「表情に乏しい」とは、無表情である、人間味のない、感情のないという意味です。
ただ、一般的には「表情に乏しい」と「に」を使うよりは、「表情が乏しい」と「が」を使う時の方が多いです。
「水の東西」での意味は?
ただ、高校の教科書にも出て来る「水の東西」という評論では、少し変わった表現をしています。
引用すると以下のようになります。
伝統は恐ろしいもので現代の都会でも、日本の噴水はやはり西洋のものほど美しくない。
そのせいか東京でも大阪でも、町の広場はどことなく間が抜けて、表情に乏しいのである。
ここでの「表情に乏しい」は、「個性に乏しい」と同じ意味だと言えます。
西洋には昔から、水を楽しむ伝統がありましたが、日本でそういう文化が発達し始めたのは近代に入ってからです。
それに日本の噴水は、最初、西洋のものを見よう見まねで作ったので、物足りなさを感じてしまったということですね。
ちなみに、「表情に乏しい」の前にある、「間が抜けて」という表現も大事なものが抜けているという意味です。
「表情に乏しい」の例文・短文
次郎
太郎
という感じで「表情に乏しい」は使われたりしますが、他にも以下のような用例があります。
- 最近の子供達はスマホでゲームばかりをやっている子が多いせいか、表情に乏しい気がする。
- 表情に乏しい人は、相手の人から難しい人だと思われたり、変に誤解されたりする時もあるから、感情はもっと顔に出していく方が良いと思う。
- 彼は、小さい頃、両親が原因して心に深い傷を負ったのが原因で、表情に乏しい人になってしまった。
- 表情に乏しい人は、まずネガティブな感情を捨てるところから改善への道を探ってみてはどうだろうか?
まとめ
「表情に乏しい」は、「水の東西」の中だと、比喩的な表現として使われますが、日常生活では、顔の表情そのものが乏しい時でも使います。
最近は、現代は、昔に比べると、人と直接、接する機会が少なくなって表情に乏しい人が増えている傾向が確かにあるかと思います。
しかし、だからこそ、時には、パソコンやスマホを離れて、人を交流をしながら、人間が持つ本来の豊かな表情を取り戻せればいいですよね。