「虎の威を借る狐」の意味
「虎の威を借る狐」とは、弱い人が他の人の権力に頼って威張るという意味です。
これは、中国の「戦国策」に出てくる話に由来した故事成語です。
ある時、トラに捕らえられた狐が、「自分は、神から百獣の長になると言われて、バチが当たる。嘘だと思うならついて来なさい」とトラに告げます。
トラが狐についていくと、他の動物たちは、トラを見て逃げ出したのですが、トラは、狐の話が本当だと信じてしまうのでした。
力の弱い狐は、知恵を使って、トラの権力をうまく利用したという訳です。
「虎の威を借る狐」ってスネ夫みたいな奴?
「虎の威を借る狐」という言葉を聞くと、ドラえもんに出てくるスネ夫を思い浮かべる人も多いようです。
ジャイアンをうまくおだてて、その力を利用しながら威張るスネ夫を見ると、確かに「虎の威を借る狐」という言葉がぴったりなのかもしれません。
(実際、スネ夫も狐のような顔をしていますし・・・)
職場で「虎の威を借る狐」のような行動をしている人は、上司からは好かれるかもしれませんが、他の人達からは、徹底的に嫌われる傾向があります。
しかし、その一方で、バカ正直に生きる人よりも「虎の威を借る狐」のように生きる人の方が、出世しやすい世の中になっているのも世の中の皮肉な現実ではなのかもしれませんね。
「虎の威を借る狐」の例文・使い方
次郎
太郎
- 社長の息子だということで、あんなに威張るなんて、まさに虎の威を借る狐みたいだ。
- 彼女は医者と結婚をした途端、態度が傲慢になってきた。まるで虎の威を借る狐みたいな女だ。
- アメリカの核の傘に入っている日本は、虎の威を借る狐なんだろうか?
- 虎の威を借る狐のような振る舞いをしている人は、周りから冷たい視線が送られやすい。
- ブランド品で身を固めている人は、虎の威を借る狐みたいなものだ。
- あいつは、虎の威を借る狐で完全に勘違いしているから、誰が止めて上げないといけない。
「虎の威を借る狐」の類語
「虎の威を借る狐」の類語に関しては、以下のような言葉があります。
類語を見てみると、汚いやり方、満載ですね(笑)。
笠に着る
「かさにきる」と読みます。
権勢のある後援者などを頼みにしたり、自分に保証されている地位を利用したりして威張ることを意味します。
便乗する
「びんじょうする」と読みます。
巧みに機会を利用することを意味します。
人の褌で相撲を取る
「ひとのふんどしですもうをとる」と読みます。
他人のものを利用して、自分の目的に役立てたり、利益を得たりすることを意味します。
親の七光り
「おやのななひかり」と読みます。
権力を持った子供がその恩恵を受けることが意味します。
こちらは、親子に限定して使う表現です。
「虎の威を借る狐」の対義語はある?
「虎の威を借る狐」の対義語についてですが、実は、反対の意味となる言葉はありません。
一応、新対義語脳トレクイズというアプリで、「ねこかぶったライオン」という対義語が紹介されているのですが、こちらは、正式なことわざではないので、あしからず。
虎の威を借る狐のような人はいけないのか?
「虎の威を借る狐」は基本的に相手の性格や態度を批判するためによく使われます。
ただ、私自身、「虎の威を借る」こと自体は、時として必要だと思います。
戦後の日本は、虎のようなアメリカと日米同盟を結び、国を守ってもらう中で、急速な経済発展を成し遂げることが出来ました。
いわゆる二世議員と呼ばれ、大物政治家を父に持ち、エスカレーターに乗るように政治家になった人たちの中には、確かに実力が伴い人もいます。
しかし、その一方で、自分に与えられた立場を最大限に利用して、親以上の功績を築き上げる立派な二世議員もいます。
政治の話ばかりで申し訳ないのですが、「虎の威を借る」ことが出来る環境を与えられていることは、ある意味、チャンスだと思うのです。
あとは、その立場にあぐらを書いて必要以上に威張って傲慢になるか、与えられた立場に合った人物になれるよう更に努力を積み重ねていけるかによって、その人に対する周りの評価は大きく変わってくるのではないでしょうか。