こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、あるスポーツの選手が、勝利を収めた後、それまで厳しい顔をしていたのが一転、涙をぽろぽろと流し始めたんですね。
すると、アナウンサーが「堰を切ったように泣き出しました」と話していたのです。
そこで「堰を切る」という慣用句が気になったので、ここでは、その意味、使い方、類語について解説をしていきます
「堰を切る」の読み方・意味
「堰を切る」の読み方は「せきをきる」です。
「堰を切る」には、文字通りの意味と慣用句としての意味があります。
- 川の流れが堰を切ってあふれ出ること(文字通りの意味)
- 押さえていたものがこらえきれずにあふれ出ること(慣用句としての意味)
元々は、1の文字通りの意味が語源となって、2の慣用句として意味が生まれて来たという訳ですね。
堰の意味
堰とは、水の流れをとめたり調整するために、川の途中などに作るしきりのことです。
堰と似た言葉としてダムがありますが、堤高(ていこう)が、
- 15m未満だと堰
- 15m以上だとダム
と分けて使います。
さすがにダムを切ってしまうと、大事故になってしまうので・・・
「堰を切る」の例文・使い方
彼があんなに怒って、まくしたてるように話すのは初めて見たよ。
次郎
太郎
普段、温厚な彼が堰を切ったように話したということは、よっぽど溜まった想いがあったんじゃないかな。
という感じで「堰を切る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 新し就任した社長は、それまでの会社の低迷を打開するため、堰を切ったように改革を進めた。
- 彼女には、堰を切って溢れる想いが伝わったのだろうか?
- 監督から労いの言葉を掛けられると主将は堰を切ったように泣き始めた。
「堰を切る」の類語
「堰を切る」には以下のような類語があります。
- 勢いよく流れ出る
- ほとばしり出る
- あふれ出る
- 噴き出す
- 激しく放出される
まとめ
「堰を切る」には、今まで押さえていたものが一気に溢れ出るという意味がありますが、例文を見てみると、涙が出たり、感情が溢れたりする時に使うことが多いです。
堰を切ったように泣いたり、感情が溢れ出したりするのを見ると、人間と言うものは、普通に生きているように見えて、実は、誰にも分からない苦労や辛い想いを抱えているのではと思ってしまいます。
また、時にはそうやって涙や感情を出すことって大切なのかもしれませんね。