こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、右肩上がりの業界の社長さんとお話をする機会があったのですが、儲かってしょうがないんじゃないですかって聞いてみたんです。
すると、「はい、ご多分に漏れず、かなり儲かっています」答えていらっしゃいました。
その時の喜びを隠しきれない表情も印象的だったのですが、その時、「漢字はご多分に漏れずで良かったと思うんだけど・・・」と少し混乱してしまった
そこで、今回は、「ご多分に漏れず」と意味、由来、例文、類語について解説をしていきます。
「ご多分に漏れず」の意味・読み方
「ご多分に漏れず」とは、例外ではなく、他と同じようにという意味です。
いわゆる一般的に起こっている傾向や現象の話になった時、それと同じことが個別的にも起こっていると伝える時に使います。
また、読み方は「ごたぶんにもれず」です。
「ご多分に漏れず」の由来・語源
ここでの「多分(たぶん)」とは、量が多いこと(大多数・大部分)を意味します。
そここから、他の多くのことと同じでという意味で、「ご多分に漏れず」という言葉が出来ました。
また、なぜ「ご多分」と頭に「ご」を付けるのかと気になる方もいらっしゃるかと思います。
それは、「多分」が世間様というニュアンスを表しているので、「ご」を付けていると言われています。
漢字の間違いにご注意
「ご多分に漏れず」を書く時は、漢字表記に注意する必要があります。
ご多分?・ご多聞?
中には、「ご多聞に漏れず」と書いてしまう方がいらっしゃいますが、こちらの漢字表記は間違いです。
「多聞」とは、「多くの物事を聞き知っていること」という意味なので「みんなが聞いているように」という意味で使わるんじゃないかと思いがちですが誤りですのでご注意下さい。
漏れず?洩れず?
では、「ご多分に漏れず」の「漏れず」を「洩れず」と書くのはどうなのでしょうか?
この場合、「洩れず」と漢字で書いても大丈夫です。
ただ、一般的には「漏れず」と書くのでで、こちらを使った方が無難です。
ご多分?御多分?
「ご多分」を「御多分」と漢字でより丁寧に書く方もいらっしゃいますが、「御多分」と書いても大丈夫です。
また、この点に関しても「ご多分」とシンプルに書く方の方が多いです。
「ご多分に漏れず」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「ご多分に漏れず」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- うちの会社もご多分に漏れず、人材不足で本当に困っている。
- 将来の夢にユーチューバーをあげている子供達が増えているが我が家の子供もご多分に漏れず、YouTubeで稼ぎたいと言い出している。
- 娘の部屋は、この年頃の女の子達のご多分に漏れず、キャラクターグッズやアイドルの写真がたくさん飾られている。
- ご多分に漏れず、私も海外移住をした際は、仕事面で本当に苦労した。
「ご多分に漏れず」の類語
「ご多分に漏れず」には以下のような例文があります。
- 同様に
- 例外ではなく
- 同じように
類語に見てみると、非常にシンプルな表現が多いですよね。
ただ、「他と同じだ」ということをもっと強調したい時は「ご多分に漏れず」を使うのが良いでしょう。
まとめ
「ご多分に漏れず」は、「他と同じように」ということを意味しますが、漢字を間違って使っている方は多いので、その点では注意が必要です。
また、「ご多分に漏れず」は「一般的にこうだから、やっぱりこうなるよね。」というニュアンスがありますが、個人的には、ちょっと反発したい気持もあります。
その理由は、何だか、流れに任せてばかりのような感じがするからです。
もちろん、良い流れには乗った方が絶対いいですよね。
でも、不景気みたいなネガティブな流れに関しては、ご多分に漏れるような形でがんばっていきたいと思う今日この頃です。