こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、ある記事では、「判断力がつかない老人は、詐欺師にとって格好の餌食だ」というコメントを見かけました。
その時、「格好の餌食」という言葉が気になってしまったんですね。
あれっ、この場合は、「格好」と「恰好」のどっちの漢字を使うのが正しいんだろうかと。。。
そこで、ここでは、「格好の餌食」の意味、例文(使い方)、そして類語などについて解説をしていきます。
「格好の餌食」の意味
「格好の餌食」とは、非難や攻撃をするのにちょうど良い対象や標的を意味します。
元々は、「格好」ではなく、「恰好」の方が正しい表現だと言われていました。
「恰好」は、恰も好し(あたかもよし)でちょうど良いという意味です。
餌食は、餌として狙われるもの、狙われて犠牲になるものですね。
ですから、「格好の餌食」は、元々の言葉の由来から訳すと、「餌として狙うにはちょうど良いものだ」ということになります。
ただ、最近は、格好も恰好も同じ意味として使われることが多いですし、「恰」は常用漢字ではないので、最近では「格好」の方が一般的に使われています。
「格好の餌食」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「格好の餌食」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 派手な服装をしている女性は、街を歩いていると、ナンパをしている人にとっては格好の餌食になりやすいから注意が必要だ。
- 失言をした大物政治家は、普段から敵対しているマスコミの格好の餌食となり、ここぞとばかり非難が集中した。
- セキュリティソフトを使っていないパソコンは、ハッカーにとっては格好の餌食となりやすい。
- 人気歌手のコンサートチケットは、転売をビジネスとしているダフ屋にとっては格好の餌食だ。
「格好の餌食」の類語
「格好の餌食」の類語には以下のようなものがあります。
- 格好の獲物
- 格好の的
- 鴨ネギ
- 飛んで火に入る夏の虫
- 詐欺師の好餌(さぎしのこうじ)
まとめ
「格好の餌食」は、「恰好の餌食」と書いても良いですし、元々は格好の方が正しい表現となります。
ただ、最近は、「格好の餌食」と書く方が一般的になりつつあります。
「格好の餌食」は餌食という言葉でも分かるように、ネガティブなイメージで使われることが多いです。
世の中には、他人を非難したり、騙したり、貶めたりして、餌食として見てしまう人は意外に多いので、そういう話を聞くと、どうしても嫌な気分になってしまいますよね。
ただ、嘆いてばかりいてもしょうがないので、まずは、自分自身が「格好の餌食」とならなように気を付けていきましょう!