こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、テレビで、あるプロ野球チームが他の球団から有望な選手をかき集めていることに対して、司会者が「こういった戦略は功を奏すると思いますか?」と解説者に尋ねていました。
その時、私は、野球チームの戦略云々以前に、「功を奏する」という言葉が気になってしまいました。
考えてみれば、「奏する」という言葉は演奏の時に使う表現ですからね。
そこで、ここでは、「功を奏する」の意味、例文(使い方)・類語・対義語をお伝えしていきます。
「功を奏する」の意味
「功を奏する」には、効果が現れる、良い結果が出る、成功する、奏功するという意味があります。
一般的には、今まで行ってきた努力や作戦が良い形で結果として現れるシーンで使います。
“奏する”という言葉には、楽器などを演奏するという意味もありますが、成果をもたらすという意味もあるんですね。
また、漢字で「効を奏する」と書いてしまう人もいますが、ここで“効”を使うは間違いです。
「功を奏する」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「功を奏する」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 監督の思い切った奇策が功を奏して、チームは逆転勝利を収めることが出来た。
- 今年は、早めに耳鼻科へ通ったのが功を奏したらしく、花粉症の症状があまり出なかった。
- 今回、行った施策が功を奏するかは、しばらく様子を見てみないと分からない。
- 教育だからといって、子供の欠点を指摘しても功を奏することは少ない。
「功を奏する」の類語
「功を奏する」の類語には以下のようなものがあります。
- 成果が出る
- 結果が出る
- 成功する
- 実を結ぶ
- 奏功する
どちらかと言えば、「功を奏する」の類語というよりも、「功を奏する」の意味という感じになってしまいますが・・・
「功を奏する」の対義語は?
「功を奏する」の対義語(反対語)に関しては、基本的に「功を奏さない」と言えば良いのではないかと思います。
また、せっかくの作戦や努力が良い結果ではなく、悪い結果に出てしまうというという意味で、「裏目に出る」も対義語だと言えるでしょう。
特に、野球やサッカーの試合で監督が思い切った作戦を実行した時、それが「功を奏する」か「裏目に出る」かは紙一重ですよね。
功を使った文章
功を奏すの“功”を使った文章には以下のようなものがあります。
- 功を成す
- 功を上げる
- 功を焦る
- 功を急ぐ
- 功に報いる
「功を奏す」と「功を成す」の違い
「功を奏す」と似た言葉として、「功を成す」という言葉があります。
「功を成す」にも、成功するという意味があり、「功を奏す」と混同しやすいですが、決定的な違いは主語です。
- 功を奏す:主語は策や努力
- 功を成す:主語は人
という違いがあるので、うまく使い分けるようにして下さいね。
まとめ
「功を奏する」は、ある意味、少し格式の高い言葉だと思います。
実際、同じようなシチュエーションで、「成果が出る」とか、「成功する」と言い換えることが可能ですし、分かりやすく表現するにはその方が良いのかもしれません。
ただ、より格式高い言葉を使いたい時は、「功を奏する」を使うのが良いのではないかと思います。
そういった言葉の使い方が、功を奏して、あなたの評価を高めてくれるかもしれないですからね。