先日、ニュースを見ていたら、「この国から出てくる経済指標は、実体経済と明らかにかけ離れているので、下駄を履かせているのは明らかだ。」という話が出て来たん伝ですね。
その時、「下駄を履かせる」という言葉を聞きながら、下駄を履く人は最近は見かけないけど、この慣用句はよく聞くなあと思いまして・・・
そこで、今回は、「下駄を履かせる」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「下駄を履かせる」の意味
「下駄を履かせる」とは、本来の数量や点数に水増しををして、実際よりも多く見せることを意味します。
今となっては、下駄を履く人はほとんど見かけなくなりましたが、以前は、普段の生活で下駄を履く男性はたくさんいました。
下駄を履くと、実際の身長より、数cmぐらい高く見えるので、そのことをたとえて「下駄を履かせる」という慣用句が出来た訳です。
最近では、下駄ではなく、シークレットシューズやシークレットインソールを履いて、身長を高く見せるのが一般的ですが、「下駄を履かせる」という慣用句自体は、今でも普通に使われています。
また、下駄を履かせて、身長を高く見せるぐらいであれば、まだ十分許される範囲ですが、慣用句で使われる際は、人や組織の状態を判断する重要な数値に水増しをする悪質な行為を指すことが多いので、基本的にはネガティブな表現として使われます。
「下駄を履かせる」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「下駄を履かせる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 履歴書を書く際、少しでも自分の経歴をよく見せようとして、下駄を履かせることにした。
- その会社は業績が良いように見えるが、実際は、公的資金で下駄を履かせて、無理矢理、黒字にしているに過ぎない。
- 政治家に立候補する男性は、女性に比べたら、下駄を履かせてもらっているような立場にある。
- その企業は、実際のデータをそのまま出すと、顧客が魅力を感じないので、数値に下駄を履かせることにした。
- どこでもいいから、とにかく大学に入っておけば、就職活動をする際、「大卒」という下駄を履かせてもらえるので、楽になるよ。
- 政治家が、自分の子供が大学入試を受ける際、点数に下駄を履かせて合格させていたことが発覚した。
- 悪質な社員は、領収書を出す際、実際の金額に下駄を履かせて、差額分を横領していた。
「下駄を履かせる」の類語
「下駄を履かせる」の類語としては、「水増しをする」、「盛る」、「鯖を読む」、「見栄えを良くする」という表現があります。
また、ビジネスの世界では、「粉飾する」という専門用語をよく使います。
よく「粉飾決算」という言葉をニュースで聞く方も多いかと思います。
収支を水増ししたりして偽装する行為を「粉飾決算」と言い、その中で「下駄を履かせる」行為が行われているという訳です。
「下駄を履かせる」の反対語は?
その一方で、「下駄を履かせる」の対義語としては、以下の表現があります。
- 過小評価する:物事を実際よりも低く見積もること。
- 逆サバ:実際の数よりも小さく言うこと。
ただ、実際の生活では、過小評価したり、逆サバをしてもメリットはあまりないので、下駄を履かせることの方が多いと言えます。
まとめ
ニュースを見ていると、「下駄を履かせる」という言葉は、よく聞く機会があるかと思います。
人や組織は、少しでも自分の立場を良く見せるために、下駄を履かせることがあります。
ただ、それは、いずれはバレることが多いですし、バレた時は、一気に信用を失う可能性が高いので、注意しなければなりませんね。
だからといって、「下駄ではなく、シークレットシューズ的なものなら大丈夫だろう」と、悪知恵を働かせてはダメですよ。