先日、あるドラマで「ここであったが運の尽き。あんたが犯した罪、悔い改めな!」というセリフがあったのですね。
その時、「運の尽き」ってあるんだろうかといろいろ考えまして・・・
そこで、今回は「運の尽き」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「運の尽き」の意味
「運の尽き」とは、命運や幸運の終わりを意味します。
「尽き」は終わりという意味です。
命運は、その人の存続に掛かる重大な運命を意味しますが、会社が倒産したり、それまでの日常が奪われてしまったりするなど、運命が暗転するきっかけがあった時に、この慣用句を使います。
また、それまでは幸運が続いていた人が、あることをきっかけにして、その幸運が止まってしまう時にも運の尽きと言います。
もちろん、長い間、生きていると、運が良いと悪い時は、交互にやってくることが何となく分かって来るのものです。
しかし、人生が悪い方向に向かう時は、いつ良いことが起こるか、予測することが難しいので、そういった状況を少し大げさに表現するような感じで「運の尽き」という表現を使ったりするのです。
「運の尽き」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「運の尽き」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- このビジネスで一発逆転をしようと思ったのが運の尽き。そこから更にビジネスに投資をして300万円の借金を抱えてしまった。
- SNSで彼と知り合ってしまったのが運の尽き。そこから彼女は、闇の世界へと足を踏み入れることになった。
- 今から振り返れば、あの時の誘いに乗ったのが運の尽きだった。
- ここで見つかったのがお前の運の尽きだ。おとなしく観念するんだな。
- ちょっとした遊び感覚でパチンコを始めたのが運の尽き。それからギャンブルにハマり、今ではすっかり依存症になってしまった。
- 週刊誌に目を付けられたのが運の尽き。過去のスキャンダルを次々と暴かれて、結局、その政治家は大臣を辞任することになった。
「運の尽き」の類義語
「運の尽き」の類義語としては以下のような表現が該当します。
「万事休す」
「万事休す」とは、すべての策が尽きて、もう何をやってもダメだという意味です。
もうどんなことをしてもダメだという場面でよく使うので、「運の尽き」と言い換えられることも多いです。
万事休すの意味・使い方・逆の言葉!誤用が多いワケとは?「絶対絶命」
「絶体絶命」とは、どうしても逃れることが出来ない困難な状況にあることを意味します。
切羽詰まった状態になるという点で、運の尽きと似た表現だと言えます。
「運の尽き」の反対語
「運の尽き」という表現を何度も使っていると、本当に運が下がってきそうなので、ここで反対の意味の言葉もご紹介しておきますね。
反対語としては、「運のつきはじめ」という表現があります。
この場合の「つき」は「尽き」ではなく「付き」なので、「運のつきはじめ」は、幸運が付き始めるようになったことを意味します。
まとめ
「運の尽き」は、命運や幸運が尽きて、最後の時を迎えたような時に使う表現です。
ですから、ある意味、ちょっとした絶望感を与えるようなニュアンスがあります。
ただ、その一方で、不運なことがあっても、しっかりと耐え忍べば、良いことが起こって来る可能性は高いです。
また、捨てる神あれば拾う神ありということわざもあるように、世の中には、悪いことが起これば、その後に、良いことが起こる可能性も高いものです。
ですから、いろいろあっても、「運の尽き」だとは思わず、またしばらくしたら、運のつきはじめの時が来ると、発想していけば良いのはないかと思いますよ。