こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、ノーベル賞を受賞した教授が、「今は、腰を据えて研究できる環境が失われつつあるから、このままだと日本からノーベル賞を取れる人が出なくなってしまう」と警鐘を鳴らしていました。
そう言われてみると、最近は時代の変化が速すぎるから、いろいろな意味で、腰を据えることが難しくなっているなあと感じますよね・・・
また、その時、「腰を据える」という言葉の意味も、気になってしまったので、ここでは、「腰を据える」の意味や例文を、出来るだけ腰を据えて(!?)、解説していきたいと思います。
「腰を据える」の意味
「腰を据える」には、
- 腰を下げて、どっしりと構える。腰の重心を低くする。
- 落ち着いて事に当たる。落ち着く。
- ある場所に落ち着く。
という意味があります。
一つ目の意味は、文字通り腰を下げて、どっしり構えることですね。
二つ目は、落ち着いて物事に集中するという意味なので、精神的な概念となり、その時、座っていようと立っていようと関係ありません。
そして、三つめは、一つの場所に落ち着くという意味なので、空間的な概念を指しています。
つまり、「腰を据える」とは、精神的であれ、空間的であれ、じっくりと落ち着く時に使う言葉だという訳ですね。
「腰を据える」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「腰を据える」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 夏休みは腰を据えて勉強をするには絶好の時期である。
- 転職先の面接で腰を据えて仕事をしたいという志望動機を伝えた。
- こういった落ち着いた雰囲気の居酒屋は友人と腰を据えて飲むにはぴったりの場所だ。
- この業界で成功するためには、少なくても3年間はじっくりと腰を据えてがんばり続けないといけない。
- 定年後は、親の実家に戻って、腰を据えることにした。
まとめ
元々、「据える」という言葉には、「物を、ある場所に動かないように置く」とか、「心をしっかり居定まらせる」という意味があります。
そして、腰は体の中心でもあるので、「腰を据える」とは、本当にじっくり取り組んだり、一つの場所に落ち着いたりすることを表現する際には的を得た言葉だと言えますね。
また、「据える」を使った言葉には、
- 目を据える:一点をじっと見る
- 腹を据える:覚悟を決める。心を落ち着ける。
- 肝を据える:覚悟を決める。腹を固める。
という表現もありますので、状況に応じて使い分けてみて下さい。