先日、友人から恋愛相談された際、「好きな女性から、陰ながら応援してるって言われたんだけど、どんな心理なのかな。」と聞かれたんですね。
確かに「陰ながら応援」って言われないより、言われた方がいいかもしれませんが、ちょっと微妙な感じもしますよね。
そこで、ここでは、「陰ながら応援」の意味、例文、類語、そして反対語も含めて解説をしていきます。
「陰ながら応援」の意味
「陰ながら応援」とは、表立ってではないけれども、密かに応援するという意味です。
本来であれば、表立って、応援をすることが出来れば良いのですが、何らかの事情があって、直接的に応援できない時、あるいは表立っては応援したくない時に、この表現を使います。
その事情とは状況によって異なりますが、
- 転職や退職など何らかの事情で一緒に仕事が出来なくなった時
- 芸能人や政治家など普段、直接、会うのが難しい時
- 大っぴらに応援すると、いろいろと支障がある時
というような時に使います。
「陰ながら応援」恋愛での心理とは?
もし、異性から、陰ながら応援すると言われた場合、心理的には二つの可能性があります。
- 相手を嫌っている訳ではないが、積極的に近づく気持ちはなく、一定の距離は保とうとしている心理
- 直接、応援するというと、相手が引いてしまう可能性もあるので、陰ながらと言いながら、相手の出方を伺おうとする心理
いずれにせよ、「陰ながら応援」という表現が出た場合、少なくとも嫌われている訳ではないことは確かです。
ただ、本当に、ある一定以上のラインを超えた関係は避けたいと思っているのか、あるいは、戦略的にあなたの出方を探ろうとしているのかは、きちとん見極める必要があるかと思います。
しかし、もし、恋愛関係が終わっていて、別れた彼や彼氏から、「陰ながら応援」と言われた場合は、あなたと復縁したい気持ちは、ほとんどないと言えるでしょう。
あまりキツイことをいうと、相手をさらに傷つけてしまうことになるので、社交辞令的に言っている可能性も高いです。
「影ながら」は間違い
「陰ながら応援」の「かげながら」の漢字を「影ながら」ではないかと思う方もいらっしゃいますが、こちらは間違いです。
陰と影の違いを説明すると、
- 陰:物に遮られて、日光や風雨が当たらないところ、見えなくなる部分
- 影:光が物体に遮られて、光源と反対側に出来る暗い部分
という感じになります。
もっと簡単に説明すると、影は暗いところであることに対して、陰は見えないところを意味します。
「陰ながら応援」も暗いところではなく、見えないところで応援するということなので、ここでは「陰ながら応援」が正しいのです。
「陰ながら応援」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「陰ながら応援」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼は確かに過ちを犯してしまったが、しっかり反省しているし、元々いい奴なので、陰ながら応援している。
- あの人とは直接、面識がある訳ではないが、同じ道を歩む者として、陰ながら応援している。
- やむを得ず会社を退社することになってしまったけれども、君たちのことは陰ながら応援しているよ。
- 二人の恋愛関係は終わってしまったけれども、二人お互いのことを陰ながら応援したいという気持ちを持っている。
「陰ながら応援」の類語
「陰ながら応援」には以下のような類義語あります。
- こっそり応援
- そっと応援
- ひっそり応援
- 密かに応援
- 秘かに応援
- 草葉の陰から見守る
ちなみに、「草葉の陰から見守る」と「陰ながら応援」を混同して、「草葉の陰から応援」と言ったりする人もいますが、この表現は間違いなのでご注意下さい。
「陰ながら応援」の反対語
「陰ながら応援」の反対語には、「表立って応援」という表現があります。
例えば、「表立って応援することは出来ませんが、陰ながら応援させて頂きます。」という感じで対比的に使うことも出来ますよね。
また、その他にも「派手に応援」といったりする場合もあります。
この場合は、スポーツの試合などで、大きな音を立てて応援したりする時に使ったりしますね。
ただ、誰かを応援する場合、特に強調したい場合を除いては、普通に「応援」と表現してしまって大丈夫かと思います。
まとめ
「陰ながら応援」は、表立ってでは難しいけれども、応援したい時に使う表現です。
この表現を使う際、退職の時の挨拶であったり、普段会えない人であったりする時など、誰が見ても「陰ながら応援」する理由が明らかな場合は、問題ないかと思います。
ただ、その一方で、理由が分かりにくい時は「表立っては応援したくないのかな」と勘繰られてしまう時もあるので、その点はご周囲下さい。
また、逆に、もう会うことはないだろうという人に対して、社交辞令的に「陰ながら応援」という表現は使うことも出来ますので、状況に応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。