「一挙手一投足」の意味
「一挙手一投足」とは、一度手を挙げ、一度足を投げ出す(踏み出す)という動作ですが、そこから2つの意味が生まれています。
- 一つ一つの細かい動き
- ちょっとした努力・労力
「一挙手一投足」の本来の意味は?
「一挙手一投足」の出典元は、中国の儒者である韓愈(かんゆ)の応科目時与人書(科目に応ずる時、人に與ふる書・かもくにおうずるときひとにあたうるのしょ)で、韓愈が、官史登用試験に落ちた知人に対して送った手紙の中に書かれていた言葉です。
その手紙で、「一挙手一投足」は、“ちょっとした努力・労力”という意味で用いられているので、本来の意味は、こちらになります。
ただ、現在は、“ちょっとした努力・労力”というよりは、“一つ一つの細かい動き”という意味で使われる方が多いので、本来の意味として使われるのを聞くと、戸惑う方もいらっしゃるようです。
でも、実際は、どちらの使い方も正しいということになります。
気に入らない時によく使われる
「一挙手一投足」は、誰かが相手のちょっとした動きの一つ一つが気に入らない時にも、よく使われます。
実際、相手のことが嫌いになったら、それまでは、気にならなかったことが、どんどん気になってしまうものですよね。
そんなストレスを表す時に、「一挙手一投足が気に入らない」という表現を使ったりします。
「一挙手一投足」の使い方・例文
次郎
太郎
- 夫の結婚して3年が過ぎた今、愛はすっかり冷めてしまい、夫の一挙手一投足にイライラしてしまう。
- その先輩社員は、後輩のことがよっぽど気に入らないのか、一挙手一投足に対して、文句をつけてくる。
- 彼の一挙手一投足を見れば、いかにしっかり教育を受けていたかといことがよく分かる。
- 剣道で上達するためには、鏡の前で、一挙手一投足を確認しながら練習することが大切である。
- 彼は本当に面倒くさがりで、一挙手一投足の労も惜しむところがある。
「一挙手一投足」の類語
「一挙手一投足」の類語としては、「一挙一動(いっきょいちどう)」という言葉があります。
ですから、「一挙手一投足」を使っているところで、「一挙一動」に置き換えられるケースも多いです。
ただ、動きの範囲を見てみると、
- 一挙手一投足:より細かい動き
- 一挙一動:よりざっくりとした動き
という点で少し違いがあります。
「一挙手一投足」は本来の意味から変わっている?
現在の「一挙手一投足」の使い方は、本来の意味(ちょっとした努力・労力)からすると、少し違った形(一つ一つの細かい動き)で使われることが多いです。
ただ、本来の意味で使うことは間違っているのではと思う方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。
実際、言葉は生きているので、そういうものだと思って、柔軟に対応をしていければいいですよね!