こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
先日、フィギアスケートをテレビで観ていたら、ある選手が最高得点を出した時、アナウンサーが「非の打ち所がない完璧な演技です」と言っていたんですね。
その時、「非の打ち所がない」という言葉が気になりまして・・・
考えてみれば、「非を打つ」って面白い表現ですよね。
ということで、今回は「非の打ち所がない」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「非の打ち所がない」の意味・語源
「非の打ち所がない」とは、少しも欠点がなく、非難をするところがないという意味です。
ここで「非を打つ」という表現が出てきますが、これは「悪いところを指摘する」という意味です。
つまり、「悪いところを指摘する箇所がない」ということが語源となって、「非の打ち所がない」という慣用句が生まれた訳です。
「非の打ち所がない」の例文
次郎
太郎
という感じで「非の打ち所がない」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 日本の工場が作った製品は、非の打ち所がないほど、精巧に出来ている。
- 彼は、試合中だけでなく、普段の言動も非の打ち所がない真のスーパースターだ。
- 初めて彼女を見たプロデューサーは、「非の打ち所がないかわいさだ」と絶賛した。
- 非の打ち所がない女性は、男性が近寄りがたいと感じてしまうせいか、意外に結婚できないことが多い。
- 新しく買った車の非の打ち所がない性能に僕は大満足だった。
- 鳴り物入りでデビューした新人選手は、見事に非の打ち所がない結果を残した。
- 彼のマナーは、非の打ち所がなかったが、どこか他人行儀のような印象も受けた。
「非の打ち所がない」の類語
非の打ち所がないには、以下のような類語があります。
- 文句のつけようがない
- 完璧な
- 弱点がない
- パーフェクトな
- 一点の陰りもない
- 100点満点の
「非の打ち所がない」を四字熟語で表すと?
「非の打ち所がない」を四字熟語で表すならば、「完全無欠」や「金甌無欠(きんおうむけつ)」が該当します。
「完全無欠」とは、どちらも欠点がなく完全であるという意味です。
「非の打ち所がない」の反対語
「非の打ち所がない」の反対語は、非を打つところがたくさんあることですから、状況に応じて、以下の表現を使い分けると良いでしょう。
- 欠点(欠陥・問題・不備)がある
- 欠点(欠陥・問題・不備)が多い
- 欠点(欠陥・問題・不備)だらけの
まとめ
「非の打ち所がない」は、少しも欠点がないという意味ですから、基本的には褒め言葉です。
ただ、ヘルマン・ヘッセが1931年に発表した短編小説「少年の日の思い出」に出て来るエーミールという男の子は、非の打ち所がない性格であることを主人公から悪徳だと捉えられていたりもします。
実際、非の打ち所がない、つまり完璧すぎると、かえって近寄りがたいと思われたり、妬ましく思われたりする時もありますよね。
しかし、それでも、非の打ち所がない人は羨ましいものですし、機会があれば、是非、言われてみたいものです(笑)