先日、私の友人が「うちの犬は、最近、舌が肥えてきたせいか、普通のドッグフードを食べなくなったんだ。」と嘆いていたんですね。
その時、「舌が肥える」って幸せなことなのか、不幸なことなのか、いろいろ考えてしまったのですが・・・
そこで、今回は「舌が肥える」の意味、例文、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「舌が肥える」の意味
「舌が肥える」とは、いろいろなものを食べて、味の良し悪しが分かるようになることを意味します。
人は、美味しいものをたくさん食べると、何が美味しいか識別できる能力が身に付くと一般的に言われています。
そうなることを「舌が肥える」と表現する訳です。
「肥える」には、「物事の良し悪しを感じ分ける力が豊かになる」という意味があります。
ですから「舌が肥える」の他にも、「目が肥える」とか「耳が肥える」という慣用句がありますよね。
「舌が肥える」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「舌が肥える」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- この町は海の幸も山の幸も豊富なので、住んでいる人達の舌が肥えるのは、自然なことだと思う。
- 日本でのワインの需要は、消費者の舌が肥えるに従って、どんどん高まっている。
- 妻の美味しい料理を食べ続けていたら舌が肥えて来たせいか、最近は外食をしても、美味しいと感じることが少なくなった。
- 子供に美味しいものを一杯食べさせていたら、舌が肥えたらしく、少しでも美味しくないものは一切口にしなくなってしまった。
- 舌が肥えてくると、人は、自分で料理を作り始める傾向があるらしい。
- 舌が肥えるとインスタント食品を食べることが苦痛になってしまう。
「舌が肥える」の類語
「舌が肥える」の類語としては、「口が肥える」という表現があります。
「舌が肥える」と「口が肥える」は、同じ意味であり、どちらかが間違った表現であるという訳ではありません。
また、他にも「口が奢る(くちがおごる)」という慣用句があります。
「口が奢る」にも、美味しいものばかりを食べ慣れているので、食べ物に贅沢になるという意味があります。
ただ、「舌が肥える」に比べると「口が奢る」は使用頻度が落ちます。
「舌が肥える」の反対語
「舌が肥える」の反対の意味を持つ言葉としては「貧乏舌」という表現があります。
「貧乏舌」は、何を食べても美味しいと感じてしまう舌を意味します。
ただ、それはそれで、決して悪くないことなのかもしれませんが・・・
「舌が肥える」ことは不幸?
美味しいいものを食べて舌が肥え、味の良し悪しが分かるようになることは、確かに素晴らしいことかもしれません。
ただ、あまり舌が肥えすぎてしまうと、普通のものだと、美味しいと思えなくなってしまったり、不満な気持ちを抱いてしまうリスクもあります。
ですから、他人に対して「舌が肥える」というのは誉め言葉ではなく蔑称だという人もいますし、「舌が肥える」ことは不幸だという人さえいます。
そういった意味では、貧乏舌を持っている人のように、何でも美味しく食べられる方が幸せなことなのかもしれません。
しかし、その一方で舌が肥えると、より美味しいものを探して見つけるという新たな楽しみが生まれるのも事実です。
また、誰かに「どこか美味しいお店ある?」と聞かれたら、自信を持って、美味しいお店を紹介をして、相手を喜ばせることも可能です。
さらに、たとえ、舌が肥えても、何でも美味しく食べられる人は、結構いらっしゃいます。
ですから、舌はしっかり肥えさせていきながら、その能力を良い方向へどんどん活かしていけば良いのではないでしょうか?