先日、友人が「僕の上司は、いつも人が話をしている途中で口を挟んで来て、話の腰を折るから本当にやりづらいよ。」と嘆いていたんですね。
その時、「話の腰を折る」という言葉を聞いて、なぜ、腰を折るという表現を使うのかなといろいろ考えてしまいました。
そこで、今回は「話の腰を折る」の意味、語源、例文、そして類語について解説をしていきます。
「話の腰を折る」の意味
「話の腰を折る」とは、口を挟んで相手の話を途中で遮ることを意味します。
せっかく話が盛り上がっている時に、誰かが、まったく関係のない話をして、その場がシラけてしまったり、不穏な空気が流れてしまったりする時ってありませんか?
人が話をしている時には、目に見えませんが、流れというものがあります。
それを断ち切るような行為をしてしまった時、「話の腰を折る」という表現を使います。
ですから、当然、話の腰を折られた人は不快な思いをしますし、その場の雰囲気が悪くなる可能性も高いです。
「話の腰を折る」の語源・由来
「話の腰を折る」の中には「腰を折る」という表現があります。
腰というのは、漢字の中に「要」という感じが含まれているように、体の中で、最も重要な部分です。
その重要な腰にあたる部分を折る訳ですから、それは大切なものを台無しにすることに他なりません。
そこから、話の重要な部分をダメにしてしまうたとえから「話の腰を折る」という慣用句が生まれた訳です。
「話の腰を折る」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「話の腰を折る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 話の腰を折るようで申し訳ありませんが、問題の本質はそこではないと思います。
- 人が気持ちよく話をしている時に、話の腰を折ると、嫌われるからやめておいた方が良い。
- 彼女は、言いたいことがあれば、我慢することが出来ず、すぐに何でも言ってしまって、話の腰を折る癖がある。
- 親が何度も子供の話の腰を折るようなことをしていると、子供は親と話したい気持ちが失せてしまう。
- 妻がいろいろと話をしている時、夫は決して話の腰を折らずに、ニコッと笑いながら聞き続けるのが、夫婦円満の秘訣だ。
「話の腰を折る」の類語
「話の腰を折る」は以下のような類義語に言い換えることも可能です。
「話に水を差す」
「話に水を差す」にも話しているところを邪魔するという意味があります。
「話の腰を折る」と言い換えて使うことも出来ますが、違いを敢えて言うならば、
- 話に水を差す:話に邪魔なものを入れる
- 話の腰を折る:話の重要な部分を壊す
という感じなので、「話の腰を折る」方が、相手に与えるダメージはより強い印象があります。
「茶々を入れる」
「茶々を入れる」とは、話の最中に不真面目なことを言って、邪魔をすることを意味します。
「話の腰を折る」場合は、自分が意図していなくても、空気が読めないがために、結果的にそうなってしまうケースもあります。
ただ、「茶々を入れる」は最初から、邪魔をしようという意図が働いている時に使う表現です。
まとめ
「話の腰を折る」人の特徴としては、
- 人に認められたい
- 自信過剰
- 思い込みが激しい
- 飽きっぽい(次の話をしたがる)
- 相手の事を嫌っている
- 空気を読むことが出来ない
- アスペルガーなどの発達障害である可能性も
などがあり、考えられる原因は様々です。
もちろん、話の腰を折られてしまうと、不快な気持ちを感じてしまうかもしれません。
しかし、そういった時にこそ、「この人は、なぜ、話の腰を折るのだろう。」と考え、相手の特徴を理解すると、冷静な対処が出来るかと思いますよ。