先日、会社にいたら、突然、にわか雨が降って来て、会社に戻ってきた同僚が「傘を持って行かなかったら、ぬれねずみになっちゃったよ。」とびしょ濡れになった状態で嘆いていたんですね。
その時、「ぬれねずみ」というけれど、なんで「ねずみ」を使うのかなと思いまして。
そこで、今回は、「ぬれねずみ」の意味、使い方、そして類語について解説をしていきます。
「ぬれねずみ」の意味
「ぬれねずみ」とは、衣服を来たまま、全身が、びしょ濡れになることを意味します。
この慣用句は、自ら進んで濡れる時には使いません。
自分では、望んでいなかったのに、びしょ濡れになってしまって、惨めな状態になった時によく使います。
ただ、その一方で、びしょ濡れになった状態を「ぬれねずみ」と自虐的に表現することによって、周囲の笑いを誘うという使い方も出来ます。
「ぬれねずみ」の語源
では、なぜ、全身びしょ濡れの状態をねずみを使って表現するのでしょうか?
これに関しては、明確な由来となる説はありません。
ただ、恐らく、水に濡れたねずみは、水切れが悪く、とても哀れな姿になるので、そういった可哀そうなイメージを伝えるためではないかと言われています。
ちなみに、猫を飼っている人は、猫が外からずぶ濡れで帰って来た時だと、「ぬれねこ」ではなく、「ぬれねずみ」と言って良いのか、躊躇する人もいますが、「ぬれねずみ」と言ってしまって、何も問題はありません。
そもそも、人も、ねずみではないのに「ぬれねずみ」と表現する訳ですからね。
「ぬれねずみ」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「ぬれねずみ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 突然、土砂降りの雨が降って来たけれども、幸い、折り畳み傘を持っていたので、ぬれねずみにならずに済んだ。
- デモ隊は、ぬれねずみのようになりながらも、抗議の行進を続けた。
- 雨の中、道を歩いていったら、通りがかった車に、思いっ切り水をはねられ、ぬれねずみ状態になってしまった。
- 自転車に乗っていた時、急に雨が降って来たが、傘をさすわけにもいかず、ぬれねずみになるしかなかった。
- 川の近くで、友達とじゃれ合っていたら、転んで川の中に落ちてしまい、ぬれねずみの状態になった。
「ぬれねずみ」の類語
「ぬれねずみ」の類語としては、以下のような表現があります。
- ずぶ濡れ:全身がすっかり濡れること
- びしょ濡れ:びしょびしょに濡れること
- ぐしょ濡れ:しずくが垂れるほど、ひどく濡れること
いずれも、派手に濡れた状態を意味しますが、もっと哀れさを表現したい時は、やはり「ぬれねずみ」の表現を使うのが良いでしょう。
まとめ
夕立にあったり、台風で傘が意味をなさなかったり、川に落ちたり、車にはねられたりと、意図せずに、ぬれねずみになってしまうと、人は、気持ち的にも少し落ち込んでしまいやすくなるものですよね。
ただ、そういった時ほど、濡れた自分を客観的に見て、逆に笑い飛ばすぐらいの心の余裕を持てれば良いのではないかと思います。