こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
以前、私の息子が一人でお風呂に入った時、あまりにも早く風呂場から出て来たので、私が思わず、「それじゃ、カラスの行水じゃん」と言った時があります。
すると、息子がキョトンとして、「なぜカラスなの?」と聞いて来たんですね。
そう返事をされると私もうまく答えられず、「カラスは、水をちょっとしか羽にかけなくてなあ・・・」とワケの分からないことを言ってしまい、反省しています^^;
そこで、今回は、カラスの行水の意味や、なぜそういうことわざが出来たのかという点についても解説していきます。
「カラスの行水」の意味
「カラスの行水」とは、風呂の時間(入浴時間)が短いという意味です。
それは、まるでカラスが行水する時のようだというたとえを使っている訳です。
「カラスの行水」と呼ばれる時間は、大体、10分以内ぐらいかなあと思いますが、人によっては入浴時間が5分ぐらいで終わってしまう人もいますよね。
ちなみに、「行水」という言葉も、普段はあまり使わない言葉だと思いますが、「行水」とは、たらいにお湯や水を入れて、洗い流すという意味です。
「カラスの行水」の読み方
「カラスの行水」は、全部、漢字で書くと、「烏の行水」となりますが、読み方は「からすのぎょうずい」となります。
烏(カラス)という漢字は、鳥(とり)という漢字と似ているので、漢字だけを見ると、「とりのぎょうずい」と勘違いする方も時々いらっしゃるようです。
また、中には、「すずめの行水」と間違って認識している人もいらっしゃいますので、ご注意ください。
なぜ「カラスの行水」なのか?
実際、カラスの行水の時間は短いです。
ただ、これは行水というよりは、水浴びという方が適切なのかもしれません。
カラスが水浴びをするのは、羽についた汚れや寄生虫を取り除くためだと言われていますが、実は、カラスは、鳥の中では比較的、長い時間、水浴びをする方だとも言われています。
実は、カラスの行水よりも、すずめの行水の方がもっと短いそうです。
そういった意味では、「なぜカラスなのか?」と思う人もいらっしゃるかもしれません。
この点に関しては、カラスは黒いので、体をあまりキレイに洗っていないんじゃないかという意見もあります。
「カラスの行水」の使い方・例文
次郎
太郎
- 子供に一人で風呂に入らせると、カラスの行水になってしまうので、最初は、親が一緒に入ってしっかり体を洗って上げないといけない。
- 熱いお風呂は苦手なので、銭湯へ行ってもカラスの行水で終わってしまう。
- そのホテルは、浴槽がなかったので、カラスの行水で済ませることにした。
- 一分でお風呂から出てくるなんて、それじゃ、カラスの行水だよ。
「カラスの行水」の対義語
「カラスの行水」とは入浴時間が短いという意味ですが、逆に、入浴時間がないことわざをしては以下のような表現があります。
腰抜け風呂
入浴時間が長いことをののしる時に使う言葉です。
風呂で腰が抜けて、湯船で立ち上がれなくなってしまったのではないかというたとえとなります。
垢も身の内
これも、長風呂の人を冷やかす時に使う言葉です。
垢も体の一部分だから、長風呂をして、無理に落とす必要はないよという意味が含まれています。
まとめ
総務省が行った【平成28年社会生活基本調査】によると、入浴時間の平均は、男性が28分、女性が35分とのことです。
ただ、入浴時間は人によって千差万別なので、自分とは極端に入浴時間が異なる人を見かけると、時間が短ければ、「カラスの行水」と冷やかし、時間が長いと「腰抜け風呂」と冷やかしたりします。
また、これからの言葉はいずれも冷やかす言葉なので、友達や家族など、基本的には親しい人に対して使うようにして下さいね。