こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
私の友人に節約して200万円貯金した人がいるのですが、「どんな生活をしていたの?」と聞いたところ、「それは、もう、爪に火をともすような生活だよ~」とちょっと自慢気に話していました。
その時「爪に火をともす」と聞いて、「なんで爪を燃やすのかな」といろいろ考えてしまったんですね。
そこで、今回は「爪に火をともす」の意味、由来、例文、類語、そして対義語について解説をしていきます。
「爪に火をともす」の意味
「爪に火をともす」とは、苦労して倹約する、あるいはひどくけちけちするという意味です。
これは、普通の節約ではなく、超が付くぐらいの節約ですし、こういう節約をする人はいわゆるドケチです。
ですから、基本的には悪い意味で使われることが多いです。
「爪に火をともす」の由来
「爪に火をともす」とは、爪を燃やしてろうそく代わりに使うというたとえから来ていることわざです。
爪を燃やすと聞いて、「本当にそんなことをする人はいるのだろうか?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
「爪に火をともす」は元々「毛吹草(けふきぐさ)」という江戸時代の俳諧集の中で出て来たのが由来です。
江戸時代は、油がとても高価だったので、自分の爪に火をつけて明かりの代わりにして倹約したという話があります。
なぜ爪を燃やす?
なぜ、燃やすのが爪なのかというと、爪は、放っておいても伸びて来て、タダで使えるからです。
また、「爪はちゃんと燃えるのか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、詰めの垢の油に点火の効果があるとも言われています。
ただ、実際に爪を燃やすと、ちょっと変な臭いがしますけどね・・・
「爪に火をともす」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「爪に火をともす」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 老後のたくわえがないと、歳を取ってから、爪に火をともす生活を強いられる。
- バブルが弾けて、豪華な生活は、一点、爪に火をともす生活へと変わった。
- 若い頃は、爪に火をともす生活をしていたけれども、そこから必死に努力をして、裕福な暮らしが出来るようになった。
- 娘をスケート選手として成功させるため、親は、爪に火をともすような節約生活を送った。
「爪に火をともす」の類語
「爪に火をともす」には以下のような類語があります。
- けちん坊の柿の種(柿を食べた後、種を大事にしまいこむほどケチな人)
- 袖から手を出すも嫌い(袖からはお金はもちろん、手も出すのも嫌だというくらいケチな人)
- 出すことは舌を出すのも嫌い(ひどく出し惜しみをするケチ)
他にも「質素」や「ケチ」という類語もありますが、「爪に火をともす」は、その程度が圧倒的に酷いという点で際立った言葉だと言えます。
「爪に火をともす」の対義語
「爪に火をともす」の対義語としては、例えば、栄耀の餅の皮をむく(えようにもちのかわをむく)ということわざがあります。
これは、贅沢に慣れて、餅の皮まで剥いて食べるという意味です。
ドケチも良くないですが、あまり贅沢過ぎるのもどうかという感じでしょうか・・・
まとめ
「爪に火をともす」には、倹約やケチの度合いが、ものすごい時に使う言葉です。
現代社会では、爪に火をともすような人はいないと思いますが、それでも、ちょっとドン引きするぐらいケチな人っていますよね。
例えば、私自身は、マクドナルドを注文した時に付いてきたケチャップを持ち帰るような人を見ると、さすがにそれはちょっと・・・と思ってしまいます。
節約をすることは大切ですが、ケチも度を過ぎると、人からの信頼も失いかねないので、ほどほどにしておいた方が良いと思いますよ!