遣らずの雨の意味・例文・類語!一緒にいたい時に使える素敵な慣用句


この間、友達に家に遊びに行ったら、雨が降り始めたのですが、その時、友人が「遣らずの雨が降って来たから、もう少しゆっくりして行ったら」と話したんですね。

その時「遣らずの雨」って、随分、ロマンチックな表現を使うなと思いまして・・・

そこで、今回は、「遣らずの雨」の意味、語源、例文、そして英語での意味について解説をしていきます。

「遣らずの雨」の意味

「遣らずの雨」とは、帰ろうとする人を引き止めようとするかのように降る雨を意味します。

とても、情緒深い表現なので、俳句や和歌でも時々使われることがあります。

「遣らずの雨」の語源・由来

残念ながら、「遣らずの雨」は、語源や由来が定かではありません

ですので、ここでは、構成している言葉を解説していきますと・・・

「遣らず(やらず)」は「遣る」の否定形で、「遣る」には、人を遠くへ行かせるいう意味があります。

ですから、「遣らず」は「行かせない」という意味になる訳です。

人を行かせない雨という表現は、まるで雨に人の気持ちが宿ったような表現だと言えますよね。

「遣らずの雨」の例文・使い方

どうしよう。もうすぐで仕事の時間が終わるっていうのに、いきなり雨が降って来たよ。傘持って来ていないんだよなあ。

次郎

太郎

もしかしたら、遣らずの雨からもしれないね。せっかくだから、僕と一緒に残業しない?

という感じで「遣らずの雨」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「遣らずの雨」の例文1

「喫茶店でコーヒーを飲んでいたら、遣らずの雨が降ってきたので、本を読みながら時間をつぶすことにした。」

飲食店に入ると、急に雨が降って来る時ってありますよね。

そういった時は、雨が降って来たことを嘆くのではなく、自分を引き留めたくて、遣らずの雨が降ってきたんだと前向きに受け止めてみるのもアリだと思います。

「遣らずの雨」の例文2

「彼女と過ごす楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていくので、遣らずの雨が降ってくれることを心から願った。」

大好きな人と一緒にいる時は、どんな理由でもいいから、一緒にいられる時間が延びて欲しいと思うもの。

そういった時に、遣らずの雨が降るのは、非常にありがたいですし、逆に、そういった雨が降ってくれることを願いたいものですよね。

「遣らずの雨」の例文3

「二人の別れを惜しむかのように雨が降り出した時、彼女は「あら、遣らずの雨?」とポツリつぶやいた。」

もう少しでお別れの時間というのに、雨が降っている時は、「遣らずの雨」という表現を使った「あなたともっと一緒にいたい」という気持ちを伝えることが出来ます。

「遣らずの雨」は詩的な表現でもあるので、ロマンチックな雰囲気も醸し出せることが間違いなしです。

「遣らずの雨」を英語で言うと?

「遣らずの雨」を英語で表現すると、

  • “rain that starts to fall as though trying to prevent a guest from leaving”
    (客が去ることを防ぐかのように降り始める雨)

と言ったりすることが出来ます。

非常に、説明的な表現なので、情緒的なニュアンスは完全になくなりますけど・・・

まとめ

日本には、雨を表す表現がたくさんありますよね。

時雨(しぐれ)、霧雨(きりさめ)、五月雨(さみだれ)、氷雨(ひさめ)、にわか雨、恵みの雨などなど・・・

その中でも「遣らずの雨」は非常に情緒深い表現ですし、「あなたともっと一緒にいたい」という気持ちをやんわりと伝えることが出来ます。

また、一般的に雨が降ると、嫌な気持ちになりやすいですが、遣らずの雨なんだと前向きに捉えてみるのもいかがでしょうか?