こんにちは!言葉力の編集長のケンです。
先日、テレビのワイドショーで、スキャンダルが発覚した芸能人に対して、マスコミが殺到して質問攻めにしているのを見かけました。
その芸能人は、普段は歯切れの良いコメントで有名な人だったのですが、さすがにその時は、その場を取り繕うなコメントしか出来ていませんでした。
その後、ワイドショーの司会者が「いろいろ聞いたのですが、言葉を濁されてしまいました」と話していたのですが・・・
私は、”お茶を濁す”という表現が何となく気になってしまいました。
「お茶を濁す」って確か適当に取り繕うという意味だったと思うのですが、何でお茶を濁すことが、そんな意味に繋がるのでしょうか?
そこで、ここでは、「お茶を濁す」の意味、類語、例文、そして英語表現などをお伝えしていきます。
「お茶を濁す」の意味
「お茶を濁す」とは、いい加減なことや、適当なことを言って、その場をごまかしたり、取り繕ったりすることを意味します。
「お茶を濁す」の由来
ここでの”お茶”は、緑茶ではなく抹茶です。
実は、抹茶を点てることは、素人にはうまく出来ません。
なので、お茶の作法を知らない人が、抹茶を点てようとした時、うまく出来ないので、ただお茶を濁して、それらしく見せようとすることから、”お茶を濁す”という言葉が生まれました。
「お茶を濁す」の例文
次郎
太郎
- 妻に内緒でパチンコに行ったことを疑われたので、「散歩に行った」と言いながらお茶を濁した。
- あの政治家は、お茶を濁す国会答弁が実に上手だ。
- ビジネスで、お茶を濁す話をすると、信頼関係に影響するから、正直に話す方が良い。
- 彼氏に、本当に結婚をする気があるのか聞いたら、お茶を濁されてしまった。
「お茶を濁す」の類語
「お茶を濁す」の類語は、どういった側面を強調するかによって表現が変わって来ます。
悪いことを隠す
- うわべを取り繕う
- 臭いものにフタをする
- ひた隠しにする
相手の気持ちを別の方法へ向ける
- 煙に巻く
- 論点をすり替える
- はぐらかす
あやふやにする
- うやむやの状態にする
- 誤魔化す
- 口を濁す
「お茶を濁す」の英語表現
お茶を濁すを英語で表現すると、以下のようになります。
- give an evasive answer (曖昧な返事をする)
- avoid the main issue(主要な問題を回避する)
- dodge the subject(話題を避ける)
- mix different issues(別々の問題を混ぜる・論点をすり替える
お茶を濁して良い時・悪い時
「お茶を濁す」という表現は、英語に訳すことも可能ですが、どちらかというと、日本独特の文化なのかなと思います。
日本人には、相手の立場を尊重したり、相手の気持ちを大切にする素晴らしい文化があります。
しかし。その一方で、相手の反応を考えすぎるあまり、はっきりとした態度を取れず、曖昧にしてしまう人が多いのも事実です。
確かに、日本人の中には、はっきり言われると傷つく人も多いので、そんな時は、相手を傷つけないように、お茶を濁す方が丸く収まって良い時もあります。
ただ、ビジネスの世界では、お茶を濁すことによって、曖昧さが生まれ、仕事が進まなくなってしまうリスクが発生します。
特にトラブルやクレームが発生した際、当事者の人が、保身のために、お茶を濁して、責任を逃れようとするケースがあります。
そうすると、なかなか問題が根本的に解決されなくなってしまいます。
ただ、そうやってお茶を濁すと、一時しのぎにはなっても、後でさらに、本人やその会社に大きなダメージをもたらす可能性もあるのです。
お茶を濁すときは、本当にそうしても大丈夫か、自問することも大切だと思います。