「目糞鼻糞を笑う」の意味
「目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう)」とは、自分の欠点に気が付かないで他人のことをあざ笑うことを意味します。
目糞とは、“目やに”のことです。
汚い目やにが、同じく汚い鼻糞のことを笑うという表現が由来となって、この慣用句が生まれました。
当の本人は、自分が正しくて相手が間違っていると主張したいのでしょうが、第三者から見れば、どちらも汚いという点では同じだということで、相手を否定的に表現する際に使います。
「目糞鼻糞を笑う」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「目糞鼻糞を笑う」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 50代の女性がお互いのことをおばさんだと罵り合ったが、周りから見れば、目糞鼻糞を笑うだ。
- 今まで不祥事で問題になった人が、他人の不正に対してとやかく言うことは、目糞鼻糞を笑うみたいなものだ。
- 彼は、クラスメートに対して「あいつはブサイクだ」と言っていたが、目糞鼻糞を笑うとはこのことだ。
- あなたは、不倫した夫のことを責めているが、自分も浮気をしたんだし、それじゃあ、目糞鼻糞を笑うでしょう。
- 政治家が、別の政治家のことを猛烈に批判しているが、所詮、目糞鼻糞を笑うである。
- 不勉強な人が不勉強な人を罵っても、目糞鼻糞を笑うということに過ぎない。
「目糞鼻糞を笑う」の類語
「目糞鼻糞を笑う」の類語には以下のような表現があります。
- 五十歩百歩
- どんぐりの背比べ
- 似たり寄ったり
- 腐れ柿が熟柿を笑う
- 青柿が熟柿弔う
- 鍋が釜を黒いと言う
- 自分のことを棚に上げる
- 蝙蝠が燕を笑う(こうもりがつばめをわらう)
- 猿の尻笑い
- どっちもどっち
- 大差ない
- 五分五分
- どっこいどっこい
- ほとん同じ
- 同程度
- 大差ない
両者にほとんど差がないことを指摘する類語をずらっと並べてみました。
また、この中でも、特に「目糞鼻糞を笑う」は、比較をする人、比較をされる人の両者を痛烈に批判する表現だと言えますね。
目糞と鼻糞は同じ?
実際のところ、目糞と鼻糞は同じ成分だという話もあります。
こちらの記事によると、鼻糞は、目から出た角膜などの角質や老廃物が、まばたきの際に鼻に送られて出来るけれども、夜はまばたきが出来ないので、鼻に流れず、目やにとして目の周りに溜まるみたいなんですね。
また、その他にも、目糞の方がちょっと立場が上じゃないかと言ったりする人もいたりするなど、目糞と鼻糞の戦いは時々熱くなる時があります。
ただ・・・
それ自体が不毛な議論なのかもしれません。
まとめ
「目糞鼻糞を笑う」は、誰かが他の人をあざ笑ったりする人を他の人が見て「あなたも大して変わらないじゃん」と指摘する時によく使われます。
私たちは、ついつい、誰かのことを馬鹿にして笑ったり、批判したりする時があったりするものです。
しかし、そうやって誰かを馬鹿にすると、他の人から、今度はあなたが厳しく追及されて、場合によってはクソ扱いされるリスクが高まります。
ですから、よっぽどのことがない限り、誰かをあざ笑うことは控えた方が良いかと思います。