最近は、自然災害が多いですが、先日、「去年、大きな災害があったからといって、当分、このような災害は来ないだろうと高を括ってはいけない。」という話を聞いたんですね。
その時、「高を括る」の「高」って何かなあといろいろ考えまして・・・
そこで、今回は、「高を括る」の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。
「高を括る」の意味
「高を括る」には、「その程度だろうと安易に予測する」、「大したことはないと見くびる」という意味があります。
「たかをくくる」と聞くと、漢字では「鷹を括る」と勘違いする方もいらっしゃいますが、正しい漢字表記は「高を括る」です。
この慣用句は、対象となるものの実力や程度を「所詮、これぐらいだろう」、「大したことないだろう」、「どうせこんなものだろう」という感じで、侮ったり、甘く見たりしている状態を指して使う表現です。
しかし、実際は予想が外れることが多いため、「高を括っていた」と過去形で使って結果的に、痛い目にあったような時によく使います。
また、現在形で使う場合は、誰か、高を括っている人に対して「そのように侮ってはいけない。」とたしなめる時に使ったりします。
「高を括る」の語源・由来
「高を括る」の「高」は、「収穫高」や「生産高」の数量の程度を意味します。
そして、「括る」には、「まとめる」という意味もありますが、ここでは、「程度を予測する」という意味で使われています。
戦国時代においては、その国の米の収穫高が、国力を表すと見なされていました。
そのため、相手の領地の「石高(こくだか)」を計算して、「これぐらいなら勝てるだろう」と見込んで戦を仕掛けていた国もあったそうです。
ただ、石高だけを計算して、相手がどれくらい強いかは、実際のところ、はっきりとは分からないものです。
逆に、そこで目測を見誤って、戦に負けてしまう時もありました。
そこから、「高を括る」だけで戦を仕掛けることは、無謀であるというたとえから、「安易に予想している」とか「大したことはないと見くびる」ことを「高を括る」というようになったと言われています。
「高を括る」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「高を括る」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 小学生だから弱いに違いないと、高を括って腕相撲をしたら、見事に完敗した。
- 不倫をしても、バレないと高を括っていたが、結果的にバレてしまい、結果的に会社を辞めることになった。
- 今の業界が、これから何年も安泰だと高を括っていると痛い目に遭う可能性が高い。
- 去年、大きな災害があったからといって、当分、このような災害は来ないだろうと高を括ってはいけない。
- これだけのセキュリティ対策を行っていたら大丈夫だろうと、高を括るのは、早計である。
- このジェットコースターは大したことがないだろうと高を括っていたが、実際に乗ってみたら、ムチャクチャ怖かった。
- 世界経済は繋がっているから、遠い国での不景気は日本と関係ないと高を括るのは良くない。
- 相手チームに対しては、去年コールド勝ちしたから、今年も簡単に勝てるだろうと高を括っていたら、痛恨の敗北を喫してしまった。
- そのレストランは、値段が安いから、味は大したことないだろうと高を括っていたが、実際に食べてみたら、驚くほど美味しかった。
「高を括る」の類語
「高を括る」には以下のような言葉に言い換えることが可能です。
- 馬鹿にする
- 見下す
- 疎んじる
- 甘く見る
- 軽んじる
- 過小評価する
- 舐める
類義語を見ると、「高を括る」はネガティブな意味を持つ慣用句であることがお分かり頂けるかと思います。
「高を括る」の反対語
「高を括る」の対義語としては、
- 過大評価する
- 買いかぶる
- ひいき目でみる
というように、実際よりも、高く評価する表現が該当します。
まとめ
「高を括る」は、相手を侮ったり、甘くみたりする時に使う慣用句です。
ただ、高を括ると、結果的に足をすくわれたり、痛い目に遭ったりしますから、何事に対しても、高を括ることなく、謙虚な姿勢で油断をせずに臨んでいくことが大切ですよね。