上には上がいる?ある?正しいのはどっち?意味・例文・類語も解説


こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

この間、身長が193cmの野球選手が、203cmのバスケットボール選手と話をしている写真を記事で見たのですが、それまでデカいと思っていた野球選手がちょっと小さく見えたんですね。

それを見ながら、「上には上がいるなあ」とコメントしている人がいたのですが、実は、正しくは「上には上がある」だってご存知でしたか?

ということで、今回は、「上には上がある」の意味、例文、そして類語について解説をしていきます。

「上には上がいる」「上には上がある」正しいのはどっち?

「上には上がいる」と「上には上がある」、どちらも正しいような気がしますが、実際に正しいのは、「上には上がある」です。

広辞苑でも「上には上がある」として記載されています。

では、なぜ「いる」だとダメなのでしょうか?

その理由は、ここで、上には上があるとされている存在は、「もの」や「状態」を指す時にも使うからです。

「いる」は人にしか使えない言葉なので、誤用ということになります。

「上には上がある」の意味

「上には上がある」とは、最高に優れていると思っても、さらにそれを上回るものがあるという意味です。

人は、上の方に上がっていくと、ついつい傲慢になったり慢心をしたりしてしまいがちです。

そういった気持ちを戒めるために、このことわざはよく使われます。

「上には上がある」の例文

彼ならボクシングで絶対負けないと思っていたのに、昨日は、あっさりとKO負けしちゃったよね。

次郎

太郎

やっぱり、上には上があるものだよ。でも、彼には、この敗戦をバネにして、さらにがんばって欲しいな。

という感じで「上には上がある」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 日本ではナンバーワンの選手だったが、世界では、上には上があることを痛感した。
  • この人こそ、世界で最高のお金持ちだと思っていたが、世界長者番付では5位だとは、上には上があるものだ。
  • 上には上があるのだから、これぐらいの成績では決して満足してはいけない。
  • 田舎から東京に出て来た青年は、上には上があること思い知り、自信を失った。

「上には上がある」の類語

「上は上がある」の類語、あるいは言い換えの表現として以下のようなものがあります。

「上を見れば方図(ほうず)がない」

「上を見れば方図がない」とは、上を見ればきりがないという意味です。

方図とは「限度」や「際限」を表します。

確かに、「上には上がある」のは、事実ですが、だからといって、変に落ち込む必要はまったくないと思います。

上を見たら、キリがないですから^^

「井の中の蛙大海を知らず」

「井の中の蛙(かわず)大海(たいかい)を知らず」とは、狭い世界に閉じこもって、広い世界があることを知らないという意味です。

広い世界に出たら、もっと上のものがあるという意味では、共通していますね。

「上には上がいる」を使う人も意外に多い

「上には上がいる」は間違いだとお伝えしましたが、その一方で、この表現は、ニュースなどを見ていてもしょっちゅう出て来ます。

特に、人に対して使う時は、「上には上がある」と言ったら違和感を覚えるせいか、「上には上にがいる」という表現を使ってしまう方は多いですよね。

実際、言葉は時代と共に変わっていくので、「上には上がいる」という表現も正しいと言われる時が来るのかもしれません。

あくまでも、個人的な見解ですけど。