虚をつく(虚を衝く・虚を突く)の意味・使い方・類語を解説!

先日、サッカーの試合を観ていたら「ゴールキーパーの虚をつくキックで、見事にシュートを決めました」という表現が出てきたんですね。

その時、「虚をつく」の漢字は何を使うのかといろいろ考えまして・・・

そこで、今回は、「虚をつく」の意味、使い方、そして類語について解説をしていきます。

「虚をつく」の意味

「虚をつく」とは、相手の弱点や無防備な部分を突破口にして付け入ることを意味します。

ここでの「虚」は「備えのないことや油断」を指します。

そして、「つく」の漢字についてですが、「衝く」と「突く」のどちらでも大丈夫です。

「虚をつく」は、相手が油断しているところにつけ込む時にも使いますし、相手が思い込んでいることとは、まったく別の視点で攻める時にも使ったりします。

また「意表をつく」と同じような意味で、使われることも多いですが、相手の隙や弱点を攻めるというニュアンスがより強くなる表現です

「虚をつく」の例文・使い方

大手企業に負けないようなサービスを作るにはどうすれば良いか考えろって社長から言われたけど、太郎君、何か良い案はある?

次郎

太郎

やっぱり、普通のやり方じゃ、絶対勝てないから、大手企業が重視していない消費者の潜在的なニーズを見つけて、虚をつくしかないと思うよ。まあ、具体的にどうすればいいかって聞かれたら、困るんだけどね。

という感じで「虚をつく」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

「虚をつく」の例文1

「就職の面接で虚をつかれた質問をされて返答に困った。」

就職の面接では、面接官が時々「虚をつく」質問をしてくる時があります。

面接を受ける人は、面接官がするであろう質問をあらゆる観点から予想して、万全の準備をしてくるケースが多く、普通の質問では、その人の真の実力や対応力を見抜くことが出来ないからです。

しかし、「虚をつく」質問をされても、うまく答えられた人は、面接官の評価をグッと上げることが出来ますよね。

「虚をつく」の例文2

「彼は戦いを優勢に進めていたが、虚をつく攻撃をされて、一気に形勢を逆転された。」

相手の虚をつくことは、スポーツの試合の作戦でも重要視されることがあります。

サッカーなら相手が動く方向とは逆の方向にボールを転がしたり、野球なら強打すると見せかけてバントをしたりするような作戦です。

ここら辺は、相手の心理の裏を読むなど、高度なテクニックが求められる場合もありますね。

「虚をつく」の例文3

「彼らは、捜査員の虚をつくため、男性より存在を無視されやすい女性を使うことによって、作戦を見事に成功させた。」

虚をつくことは、相手が持っている先入観を利用して、その逆を行く時にも使います。

「ここはこうに違いない」と相手が思い込んでいると、それ以外の部分では油断しやすくなりますよね。

「虚をつく」の類語

「虚をつく」には、以下のような類語があります。

  • 意表を突く
  • 不意をつく
  • 隙を突く
  • だまし打ちをする
  • 奇襲をする
  • 寝首をかく

いずれも、相手が思いもよらないところから攻撃を仕掛けるという点で意味が共通しています。

まとめ

「虚をつく」は、相手の油断しているところや無防備なところを攻めるやり方ですから、ある意味、正攻法ではないと言えます。

しかし、強い相手に立ち向かう時や、普通のやり方では厳しい時などは、相手の虚をつくことが必要になる時も出て来ますので、そういった作戦をする際に「虚をつく」と使ってみて下さい。