暖簾に腕押しの意味・例文・類義語とそうなった時の対処法


こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

先日、私の会社の同僚が、

「部長がいろいろ提案をして欲しいというから、アイデアを出しまくったんだけど、全然、採用してくれないんだよね。これじゃ暖簾に腕押し(のれんにうでおし)だよ。というか、うちの部長は本当に頑固だよね。」

とボヤいていました。

あれ~、暖簾に腕押しって頑固な人にも使うのかと思ってしまいましたが、使い方は間違いないようですね^^

このように、職場などの人間関係で暖簾の腕押しのような感覚を味わっている方は多いと思うので、ここでは、その意味や使い方(例文)、そして類語などをご紹介していきます。

「暖簾に腕押し」の 意味

「暖簾に腕押し(のれんにうでおし)」とは、力を入れても手ごたえもない、また、張り合いもない様子を意味します。

暖簾(のれん)とは、お店の軒先などに張る布ですが、暖簾は、普通に押しても、サラリと動きます。

それに対して、腕押しとは、腕に力を入れて押すことを意味しますが、そんな力で暖簾を押しても、何の手ごたえもありません。

力を入れれば入れるほど、虚しくなるだけですよね。

(逆に暖簾が激しく抵抗したら、困りますが・・・)

また、人によっては、「暖簾に後押し」と勘違いしている人もいますが、それは誤用であり、後押しではなく腕押しです。

「暖簾に腕押し」の使い方・例文

A社には、以前から何度も価格交渉をしているんだれども、いつも、のらりくらりとした返事が来るだけで、うまくかわされちゃんだよね。

次郎

太郎

それは、暖簾に腕押しの状態だね。他の取引先を探すのも一つの方法じゃないかな。
  • スマホばかりを見ている小学生の子供に勉強するよう言っても、暖簾に腕押しで、まったく反応してくれない。
  • 主人にタバコをやめてくれるよう再三お願いしているけれども、暖簾に腕押しで、禁煙する気はさらさらないようだ。
  • 今年の新入社員は、何度、同じことを言っても理解してくれない。暖簾に腕押しになっているようで、段々、疲れて来た。
  • 上司に新しいシステムの重要性を何度も訴えたが、まったく聞き入れてもらえず、暖簾に腕押し状態だった。
  • 宗教に洗脳されてしまった人は何を言っても、暖簾に腕押しだから、どうしようもない。
  • 友達に「何を食べたい」と聞いた時、「何でもいいよ」と言われると、なんだか暖簾に腕押しみたいな感じで嫌だなあ。
  • 恋愛感情を持った男性に、好きな素振りを何度も見せているんだけれども、暖簾に腕押しで何も反応してくれない。

「暖簾に腕押し」の類語

「暖簾に腕押し」の類語には以下のようなものがあります。

  • ぬかに釘
  • 豆腐にかすがい
  • 馬の耳に念仏
  • 泥に杭

いずれの類語も、手ごたえのなさ、張り合いのなさ、そして虚しさが伝わってくるようですね。

「柳に風」は類語ではない

「暖簾に腕押し」と似た言葉で、「柳に風」という言葉がありますが、この言葉は類語ではありません。

「柳に風」とは、柳が風になびくように、相手に逆らわなければ災いを受けないという意味です。

つまり、「暖簾に腕押し」は与える立場の人が使う言葉であり、「柳に風」は受ける立場の人が使う言葉なので、意味合いが違って来ます。

「暖簾に腕押し」になってしまう人にはどう対応する?

恋愛でも仕事、或いは子育てでも暖簾に腕押しという状態は出てくるものですよね。

ただ、そこで、「暖簾に腕押しだ~」と言いながら、諦めてしまうのはもったいないかなと思います。

恐らく、そういった人は、同じ方法を何度も繰り返している可能性が高いからです。

そんな時は、「この方法はダメなんだ」と思って、別の切り口を考えてみてはいかがでしょうか?

例えば・・・・

  • 子供に「勉強しなさい」と叱るのではなく、「30分、勉強したらおやつ食べようか」と誘ってみる。
  • 新入社員が言うことを聞いてくれないと嘆く前に、一緒に食事をしながら関係を深めてみる。
  • 上司への提案が通らないのなら、より具体的な計画書を出してみる。
  • 「何を食べたい?」と聞くのではなく、「洋食と和食のどちらがいい?」と選択するような質問をしてみる。
  • 恋愛感情を持った男性に好きな素振りを見せても反応がない時は思い切って告白してみる

などなど、手を変え品を変えていく内に、相手が変わってくる可能性も出て来ます。

ここら辺は、知恵の見せ所ですよね!