先日、あるサービス業に関わっている人が、「自分には特別な才能がある訳ではないが、とにかくお客様のため、心を尽くすことを心がけている。」と話していたんですね。
その時、「心を尽くす」というのは、とても良い言葉だなあと感じたんですね。
そこで、今回は「心を尽くす」の意味、例文、類語、そして英語での表現について解説をしていきます。
「心を尽くす」の意味
「心を尽くす」には、心の底から思ってする、出来る限りのことをする、という意味があります。
ただ単に「尽くす」と表現するよりも、より尽くし方の度合いが深まります。
実際、誰かに尽くす人の中には、外見的には尽くしているように見えても、腹の底では、不平不満を持つ人もいたりするものです。
そうではなく、心の底から尽くすという時に、この慣用句を使います。
古文での意味は?
「心を尽くす」は古文でも使われる表現ですが、古文の中では、
- 心のすべてを込める。精魂を傾ける。全力を傾ける
- あれこれを気を揉む。やきもきする。限りなく物思いをする。
と大きく分けて2つの意味ががあります。
現代では、2番目の意味で使われることはなく、1番目の意味では、使われていますね。
また、「心尽くす」と“を”取ってしまった場合は、精魂を使い果たすという別の意味になってくるので、ご注意下さい。
「心を尽くす」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「心を尽くす」は使われたりしますが、他にも以下のような使い方がありますので、短文形式でお伝えします。
- 看護師や患者のため、心を尽くす姿勢が大切である。
- 彼は、傷ついた人のために心を尽くして奉仕をしてきた。
- 大変な時に、自分を雇用してくれた社長のためにも、仕事に心を尽くすことを誓った。
- マネージャーは、チームの役に立てるよう日々、心を尽くしてがんばった。
- 彼女は、見返りを求めず、相手の幸せを願って、ひたらすら心を尽くした。
- サービス業に就きたい人は、面接の際に、お客様様のため、心を尽くすのが好きだという点をアピールしてみてはどうだろうか?
「心を尽くす」の類語
「心を尽くす」には以下のような類語があります。
- 全身全霊を尽くす
- 全力を尽くす
- 力の限りを尽くす
- 労を惜しまない
- 精魂を傾ける
- 精力を傾ける
- 心を砕く
どれも、“尽くす”という意味では共通していますが、「心を尽くす」は、より精神的な観点で尽くすことを強調した表現となりますね。
「心を尽くす」を英語で表現すると?
「心を尽くす」を英語で表現する場合、
- do one’s best
と表現することが出来ます。
この表現は、日本語に訳すと、「全力を尽くす」となります。
また、専念するという意味合いを強めたいのであれば、
- devote oneself to
- dedicate oneself to
という表現を使うと良いでしょう。
まとめ
誰かに対して、奉仕をしたり、おもてなしをしたりする場合、いろいろなレベルがありますよね。
また、何をしたら、相手は喜んでくれるか、悩む時もあるかと思います。
もちろん、目に見える形で、物質的なものを与えるという点も大切です。
しかし、それ以上に、「心を尽くす」ことが大切なのではと思います。
たとえ、自分に、これといったスキルがない場合でも、まずは、心を尽くすことから始めてみてはいかがでしょうか?
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