先日、私の友達が「うちの息子は、皿洗いをしたら、アルバイト代をくれと言い出す、本当に現金なやつなんだ」と話していたんですね。
その時、「現金なやつ」というけど、なんで現金なのかって思いまして・・・
そこで、今回は、「現金」なやつの意味、由来、例文、類語、そして英語での表現も含めて解説をしていきます。
「現金なやつ」の意味
「現金なやつ」とは、損得勘定で自分の態度や主張を簡単に変える人を意味します。
自分に得になりそうなことが分かったら、態度が急に変わる人っていますよね。
お小遣いをもらえると分かった時に態度が変わる子供とか、怒っていてもプレゼントを上げると言ったら、すぐに機嫌が直る人とか、お金持ちと聞いたら、態度がガラリと変わる人とか・・・
そうやって、目先の利益によって、コロコロと態度を変える人を見て、呆れたりする時に、この表現をよく使います。
「現金なやつ」の由来
「現金なやつ」の「現金」は元々「現銀」が由来となった表現です。
日本では、1600年代半ばから、大阪、江戸、京都を中心として、両替制度が始まりました。
その時、庶民の間で、通用していたのは、小判などの金貨ではなく、おもに銀貨や銭貨(せんか)でした。
つまり、銀貨を中心に使っていたことから、現金ではなく、現銀と呼ぶようになった訳です。
「現金なやつ」の「現金」はお金じゃないんじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり、お金であることに間違いないのです。
現銀は、即座に受け渡しが出来たのですが、その時に、現銀を受け渡す人が、自分の利益本位な態度を見せる様子が語源となって「現金なやつ」という表現が生まれたと言われています。
もちろん、お金をもらえることが分かれば、機嫌がよくなる気持ちは分からないでもないですよね。
実際、大阪は商人の街なので、現金なやつは、ある意味、普通の人という感覚があるのかもしれません。
そのため、そういった人達が「現金なやつ」という時は「しょうがないなあ」と思いながらも、愛着を持って見てもらえる場合もあります。
しかし、その一方で、江戸の人達は、「武士は食わねど高楊枝」とも言われるように信念を貫くことを美徳とする傾向が強いです。
そういった人達から見ると、目先の利益にこだわって、平気で態度を変える「現金なやつ」は、軽視の対象となりやすい傾向があります。
「現金なやつ」に対して感じる感情は、人によって違いが大きかったりするものですよね。
ちなみに、「現金なやつだ」とか「現金なやつめ」と言う代わりに、「げんきんなんだから」と表現する時もありますが、こちらの「げんきん」も同じ意味と語源を持ちます。
「現金なやつ」の例文
次郎
太郎
という感じで「現金なやつ」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 可愛い女の子を見かけたら、急に元気になるなって、現金なやつだなあ。
- あの女性は、合コン相手の男性が医者だと分かった瞬間、態度がガラリと変わったよ。現金なやつだよなあ。
- 成績が上がったら、パソコンを買って上げるといったら、目の色を変えて勉強を始めた息子は、やっぱり現金なやつだと思う。
- 現金なやつだと思われるかもしれないが、お金をたくさんもらえるなら、自分の夢なんて捨てても構わない。
「現金なやつ」の類語
「現金なやつ」には、以下のような類語があります。
- ちゃっかりしたやつ:自分が得するよう、抜け目なく振る舞う人
- 調子がいいやつ:要領がよすぎる人
- 打算的なやつ:何をするにも自分の損得を考える人
- 虫のいいやつ:自分勝手に都合の良いことを考える人
「現金なやつ」の類語に共通した概念には、自分の利益のことばかり考えているというものがあります。
いずれにせよ、そういった人達は、周りの人達から、尊敬されないところがありますよね。
「現金なやつ」は英語で何という?
「現金なやつ」を英語で表現する場合、その時の状況によって、以下のような使い分けます。
- calculating person:計算高い、抜け目がない人いう意味
- self-serving person:自分のことしか考えていない人という意味
- mercenary person:金目当ての人という意味
英語でも、こういった人は、軽視の対象となってしまいますが、それは、しょうがないことなのかもしれません。