斜に構えるの意味・使い方・類義語!誤用が主流になっている?


先日、重要な会社のプレゼンの準備をしていたのですが、ちょっと年配の先輩から、「今回は、会社の偉い人が集まっているから、斜に構えてしっかりがんばるんだよ」と言われました。

その時、「斜に構える」って、普通、不真面目な態度で向き合うという意味で使うものではと思ってしまったのですが・・・

ここでは、「斜に構える」の意味、例文・使い方、そして類義語などについて解説していきます。

「斜に構える」の意味

「斜に構える」には

  1. 剣道で刀を敵に対して斜めに構える。
  2. 物事に対して身構える。改まった態度をする。相手と真剣に向き合う。
  3. 物事に対して正面から向き合わず、皮肉やからかいなど不真面目な態度で臨む。

という意味があります。

「斜に構える」は元々、1の剣道から生まれた言葉です。

そこから2の「相手と真剣に向き合う」という意味が生まれました。

剣道で、「斜に構える」とは、お互いに向き合う際の基本的な姿勢であるからです。

しかし、その後、2とは違う形で、3の「不真面目な態度で臨む」という形で使われることが多くなって来ました。

実は、本来の意味から見えば、3は誤用と言えるのかもしれません

ただ、今は、3の使い方をする人が増えていますし、辞書にもそのような使い方について明記されているので、決して誤用ではありません。

また、逆に2が誤用だと思われてしまうケースが増えていますが、こちらも正しい使い方であることに違いはないのです。

「斜に構える」の読み方

「斜に構える」の読み方は、「しゃにかまえる」というのが一般的ですが、「はすにかまえる」と読むことも出来ます

どちらが正しいのか混乱する人もいますが、正解はどちらも正しい読み方となります。

ただ、「ななめにかまえる」という読み方は誤用となるので、ご注意下さい。

「斜に構える」の使い方・例文

新しい取引先の人に、ちゃんと事情を説明しているのに、なかなか真剣に聞いてもらえないよ。

次郎

太郎

取引先と信頼関係を築くまでは、相手が斜に構える時があっても、粘り強く交渉していくしかないよね。

という感じで「斜に構える」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 何事に対しても斜に構えてしまうのは、中二病の悪い癖だ。
  • 上司は、部下の斜に構える態度が気に入らなかった。
  • 昔、不良だった頃、斜に構えることが格好いいと思っていたが、今から振り返ると恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。
  • 彼女から大切な話があるというので、斜に構えて聞くことにした。
  • 家庭訪問で来られた先生を、斜に構えてお迎えした。

「斜に構える」の類語

「斜に構える」の類語には、以下のようなものがあります。

  • シニカルな態度を取る
  • 斜からものを見る
  • さめた目で見る
  • ひねくれている
  • 天邪鬼(あまのじゃく)な
  • 素直でない
  • ひねくれている
  • へそ曲がりの
  • つむじ曲がりの

まとめ

「斜に構える」は、本来の意味は、真剣に向き合うというポジティブな意味で使われる言葉だったのですが、いつしか、ひねくれたネガティブな態度で臨むことを「斜に構える」と表現することが増えて来ました。

本来の意味から考えれば、不真面目な態度という意味は誤用なのですが、それが時代の変化の中で主流になっているので、言葉というものは不思議なものだと感じます。

逆に「真剣に向き合う」という意味での使い方も、誤用ではないのですが、今の時代では変な誤解を招くかもしれないので、こちらの意味で使う時は、少し注意をする必要があるのかなと思います。