堪忍袋の緒が切れるの意味・由来・例文・類語!それってどんな袋?

先日、私の友人が「今まで職場の同僚の傲慢な態度に、ずっと耐えていたけれど、遂に堪忍袋の緒が切れて大喧嘩しちゃったんだよね。」と言っていました。

その時、「堪忍袋の緒が切れる」と聞いて、「それってどんな袋なんだろう?」と思いまして・・・

ということで、今回は、「堪忍袋の緒が切れる」の意味、由来、例文、そして類語について解説をしていきます。

「堪忍袋の緒が切れる」の意味

「堪忍袋の緒が切れる」とは、我慢できる範囲を超えて、怒りを露わにしてしまうという意味です。

この場合の怒りは、ただ単にすぐキレてしまうような突発的な怒りではなありません。

ずっと我慢した末に、溜まっていた感情が溢れるように出て来る怒りです。

「堪忍袋の緒が切れる」の由来・語源

堪忍袋とは、堪忍する心の広さを袋にたとえたものです。

袋というものは、そこに何かをため込んで、限界に達してしまうと、袋を絞っていた緒が切れて、中に入っているものが溢れ出てしまいます。

それと同じように、人は不快な思いをした時、怒りの気持ちをある程度は、心の中にため込んでいくことが出来ますが、それが限界に達すると、怒りが溢れ出ることを袋にたとえていうようになったのです。

また、七福神の一人である、布袋(ほてい)さんが持っている袋も、「堪忍袋」だと言われています。

布袋さんと言えば、度量が広く、円満な人格を持った方ですが、布袋さんの堪忍袋の緒が切れるということは、よっぽのどのことだとも言えますよね。

「堪忍袋の緒が切れる」の例文・使い方

アイツは、何度、注意してもいつも同じ失敗ばかりしているから、もう我慢できないよ。

次郎

太郎

さすがに、あそこまで反省の色が見えないと、次郎君の堪忍袋の緒が切れるのもしょうがないと思うよ。

という感じで「堪忍袋の緒が切れる」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 借金を繰り返す夫に対して、妻は遂に堪忍袋の緒が切れた
  • 何度注意をしても、騒ぎ続ける子供達に対して、堪忍袋の緒が切れてしまった。
  • あれほど、温厚な彼の堪忍袋の緒が切れるとは、よっぽど理不尽なことがあったのだろう。
  • 仕事を真面目にやらない部下の態度を見ていると、堪忍袋の緒が切れるのも時間の問題だと感じてしまう。

「堪忍袋の緒が切れる」の類語

「堪忍袋の緒が切れる」には、以下のような類語があります。

「腹に据えかねる」

「腹に据えかねる」とは、怒りや不満を心の中に抑えることが出来ないという意味です。

我慢できる範囲を越えているという点では、「堪忍袋の緒が切れる」と同じ意味ですが、「腹に据えかねる」場合は、怒りが爆発するケースと、グッと我慢するケースと2パターンに分かれます

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「仏の顔も三度まで」

「仏の顔も三度まで」とは、いかに温厚な人でも、無礼を繰り返せば怒るという意味です。

ずっと我慢して最後は怒るという点で、「堪忍袋の緒が切れる」と共通した意味があります。

順番としては「仏の顔も三度まで」でそれを過ぎたら「堪忍袋の緒が切れる」となりますね。

「業を煮やす」

「業を煮やす」とは、怒りなどの気持ちを激しくするという意味です。

怒るという点では、「堪忍袋の緒が切れる」と同じ意味ですが、「業を煮やす」場合、それまでに我慢をしていたかどうかは関係ありません

まとめ

怒りにはいろいろなタイプがありますが、ちょっとしたことで、すぐキレるタイプの怒りは、実はあまり怖くないのかもしれません。

なぜなら、怒りの感情が溜まっていた訳ではないからです。

その一方で、「堪忍袋の緒が切れる」とは、我慢できる許容範囲を超えて、怒りが爆発することですから、怒りのエネルギーが溜まっていた分、かなり怖いものです

堪忍袋とは目に見えるものではありませんが、何となく感じることは出来るかと思います。

ですから、相手の堪忍袋の怒りが溜まってきたなと感じたら、これ以上、怒りが溜まらないように相手をなだめたる術を身に付けることも大切ですよね。

あるいは、自分で怒りが溜まっていると感じて来たら、堪忍袋の緒が切れて怒りが爆発する前に、堪忍袋の緒を緩めて、怒りを少しずつ小出しにすることもお勧めです。