こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。
今、私の息子がアメリカに留学しているのですが、そのことを友達に話すと、「息子さんは如才ない性格だから、アメリカでも上手くやっているでしょう」と言われたんですね。
「如才ない」って何だか聞きなれない言葉だなあと思ったりもしたのですが、実は、この言葉は、本来の意味からいろいろ変わって来た歴史があるんですよね~
そこで、ここでは、「如才ない」の意味、例文、由来、類語、そして反対語について解説をしていきます。
「如才ない」の意味とは?
「如才ない」の読み方は「じょさいない」です。
「にょさいない」と読んでしまう方もいらっしゃるかと思いますが間違えないようにして下さいね。
そして、「如才ない」とは、気が利いていて、抜かりがないという意味です。
「如才」は、気を遣わずに、いい加減にすると言い意味ですが、それを打ち消す表現が「如才」となる訳ですね。
元々の意味は違った?その由来とは?
「如才ない」の「如才」の由来は、論語の「祭如在、祭神如神在」(祭ることいますが如くし、神を祭ること神いますが如くす)という箇所から来ています。
もっと分かりやすくお伝えすると、「神を祭る(まつる)時は、目の前に神様がいなくても、神様がいるかのようにする」という意味です。
ここでの、如在の「在」は、漢音で「さい」と読まれていたことから、誤って「如才」と書くことになったのです。
そして、「如才」の元々の意味は、論語からも分かるように「かしこまる」ことを表していました。
しかし、いつしか、「形ばかりの敬意」として捉えられ、やがて「手抜かりがある」「いい加減」というネガティブな意味で表現されるようになってしまったんですね。
神様を一生懸命祭っていた人は、とんだ誤解を受けることになってしまった訳なのです。
「如才ない」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「如才ない」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- 彼女は、会社の面接で如才ない受け答えをしたので、見事、採用された。
- 新しく就任した大臣は、国会で如才ない答弁をして、評価を高めた。
- 彼女は笑顔が素敵なだけでなく、仕事も如才なくこなすから、会社では人気が高い。
- 期待の新人選手は、サッカーのプロデビュー戦で如才ない動きを見せて、ファンの心をしっかり掴んだ。
- 彼は、如才ない対応で社長から気に入られて、どんどん出世していった。
「如才ない」は皮肉として使われることも
「如才ない」は、基本的には、ポジティブな表現として使われますが、時々、ネガティブな表現で使われる時があります。
例えば、「如才なく振る舞う」と表現すると「したたか」とか「ずる賢い」というニュアンスが含まれてしまう時が多いです。
「如才なく」を褒める意味で言ったつもりが、変な誤解を生んでしまう時もあるので、その点では注意が必要ですね。
「如才ない」の類語
「如才ない」の類語には以下のような表現があります。
- よく気が利く
- よく機転が利く
- しっかりしている
- 人当たりが柔らかい
- 物腰が柔らかい
類語からも分かるように「如才ない」は基本的にはポジティブな言葉です。
「如才ない」の反対語
その一方で、「如才ない」の反対語は、如才があることですから、
- 気が利かない
- 機転が利かない
- だらしがない
- 配慮がない
- 気配りがない
となりますね。
まとめ
「如才ない」とは、基本的には、「気が利いている」とか「抜かりがない」と良い意味で使われることが多いです。
しかし、「如才ない」行動は、度が過ぎると、皮肉られてしまう時もあります。
ですから、この言葉を使う時は、状況を把握した上で、誤解をされないように注意して使う必要があります。
やはり、何事もほどほどが大切ということですね。