私の友人は奥さんにお小遣いをアップして欲しいと何度もお願いしているのですが、全然相手にしてもらえないそうで、「取り付く島がないから困るよ」と話していました。
その時、「取り付く島がない」じゃなくて「取り付く暇じゃなかったっけ」と思ってしまったんですね。
実は、正解は“暇”の方ではなく、“島”の方なのですが、そこら辺の話も含めて、「取り付く島がない」の意味、例文、そして類語などについて解説をしていきます!
「取り付く島がない」の意味
「取り付く島がない」とは、大きく分けて2つの意味があります。
- 相手がつっけんどうになってしまって話を進めるきっかけをつかめない
- 頼れるところがなくどうしようも出来ない
1番目は、相手がいるけれども、どうしようも出来ないという意味で、2番目は相手そのものがいないという意味ですね。
とにかくどうしようもないという点では、共通しています・・・
「取り付く島がない」の意味の語源・由来は?
しかし、なぜ、ここで“島”という言葉が出て来るのでしょうか?
実は、取り付く島がないの語源は、航海に由来しています。
航海をしている時に、立ち寄れる島がないと、燃料補給も休息も何も出来ないですよね。
そういった例えから、こちらのことわざは生まれているので、“島”が出て来たという訳なのです。
「取り付く島がない」の例文・使い方
次郎
太郎
という感じで「取り付く島がない」は使われたりしますが、他にもこういった使い方があります。
- うちの社長が説教を始めると取り付く島がない状態になるので、あとはジッと黙って聞くしかない。
- お金がない彼であったが、家族とは既に絶縁していたので、取り付く島がなかった。
- 妻に仲直りをしようと話しかけたが、鋭い眼つきで睨まれ、取り付く島がない
- 飛び入りで営業を掛けても、取り付く島がない対応をされることがほとんどだ。
取り付く島がないの類語
「取り付く島がないの類語」には以下のような言葉があります。
- けんもほろろ
- 歯牙(しが)にもかけない
- 一顧(いっこ)だにしない
- 目もくれない
- 鼻にもかけない
どんな類語でも、こんな対応をされてしまうと、本当に嫌なものですよね。
「取り付く暇がない」と誤用している人も多い
実際、「取り付く島がない」と聞いて「あれって、取り付く暇がないじゃなかったっけ?」と感じる人も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、平成15年度「国語に関する世論調査」によると、
「つっけんどんで相手を顧みる態度が見られないことを」
という質問に対して、以下のような回答率が出来ました。
- 「取り付く島がない」と答えた人:44.4%
- 「取り付く暇がない」と答えた人:42.0%
もちろん、“島”が正しい使い方で、“暇”は誤用になりますが、誤用した人が、正しく回答した人に僅か2.4ポイント差と肉薄しています。
ですから、“暇”と言いそうになった方は、是非、航海している船を思い浮かべて下さいね。
まとめ
「取り付く島がない」は、相手に対して、どうしようもない場合は、頼れる人がいない時に使う言葉ですが、そういう状態になったら、正直、本当にキツイものです。
私は、そんな時は、変に粘るよりは、早めに諦めるタイプなのですが、あなたはどうですか?
もちろん、押すか引くかは、その時の状況や、その人の価値観によっていくらでも変わるものだと思います。
ただ一点、「取り付く暇がない」とだけ言わなければOKですよ!