いやがうえにもの意味や例文!いやがおうにもは間違いだけど・・・


こんにちは!“言葉力”編集長のケンです。

私は、高校野球の試合を観るのが好きなのですが、特に各高校の応援にも注目しています。

ある時、スタンドで応援団の様子を取材していたレポーターが「この曲が流れると応援のボルテージは、いやがうえにも高まるんです!」と言いながら、その高校の有名な応援歌を紹介していました。

ただ、その時、私は「あれっ、こんな時は、『いやがおうにも』を使うんじゃなかったけ!?」と思ったんです。

でも、よくよく調べてみると、実は、間違っていたのは私だったということが分かりまして・・・

ということで、今回は、「いやがうえにも」の意味や例文をご紹介しながら、正しい表現を使い分けられるようお伝えしていきます。

「いやがうえにも」の意味

「いやがうえにも」とは、なお、ますます、なそその上に、いっそう、という意味です。

「いやがうえにも」を漢字で書こうとした時、

  • 弥が上にも
  • 嫌が上にも
  • 否が上にも

のどれだろうと、迷う方もいらっしゃいますが、正しくは、「弥が上にも」となります。

「弥」という漢字には、「いよいよ」、「ますます」という意味がありますので、「いやがうえにも」とは、さらにより一層という意味になる訳ですね!

「いやがおうにも」は間違い

「いやがうえにも」と使うべきシーンで、「いやがおうにも」という言葉を使っている人がいらっしゃいます。

実は、「いやがおうにも」という表現は間違いです。

「いやがおうにも」は、「いやがおうでも」を間違って使っている言葉でもあります。

「いやがおうでも」は漢字で書くと「否が応でも」となり、「承知をしていようといまいと」、「何が何でも」という意味となります。

ですので、「いやがおうにも」という言葉はありません。

ただ、文化庁が行った「国語に関する世論調査」によると、「いよいよ、ますます」と表現すべき言葉についてアンケートをしたところ、

  • 「いやがうえににも」と答えた人:34.9%
  • 「いやがおうにも」と答えた人:42.2%

間違った理解をしている人が、正しく理解をしている人を上回ったという統計データが出ています。

ですから、ここら辺は悩ましい問題がありますよね。

「いやがうえにも」の例文・使い方

今度の、会社のコンペの賞金って10万円なんだってさ。

次郎

太郎

おー、それはすごい。そういった賞金があると、いやがうえにも盛り上がるよね。

という感じで使ったりしますが、他にもこういった使い方があります。

  • 甲子園で智弁和歌山高校の魔曲「ジョックロック」の演奏が始まり、球場の雰囲気は、いやがうえにも盛り上がって来た。
  • 両国の首脳同士の会談は、10年ぶりなので、識者の関心はいやがうえにも高まらざるを得ない。
  • 今度の試験で100点を取ったら親がパソコンを買って上げるということなので、いやがうえにも勉強をがんばらなければならない。
  • その事件に大物政治家が絡んでいたことが発覚し、マスコミの報道はいやがうえにも過熱した。

まとめ

「いやがうえにも」は、人々の関心や、応援の熱狂ぶり、或いは世論の関心などが、ますます高まっている時の雰囲気を表現する時に便利な言葉ですよね。

ただ、あまり言葉の意味を理解しないまま、使おうとすると、思わず、「いやがおうにも」と間違った言い方になってしまうので、注意が必要です。

ですから、そんな時は、漢字での表記をしっかり確認した上で、意味を理解されることをお勧めいいたします!